親に隠れて夜中までSNS!沼にハマりつつある娘をどう制限かけるべき?【小川大介先生の子育てよろず相談室】
2021年1月発売の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第94回のお悩みはこちら。■【お悩み】小6の受験生の娘がいます。睡眠時間が必要な子なので、夜10時には寝かせるようにしているのですが、先日夜中の12時過ぎに娘の部屋から不審な物音が。気になって見てみたら、娘がタブレットでTiktokを見ていました。昔使っていたタブレットで、私はその存在自体をすっかり忘れていたのですが、どこかから見つけてきて勝手にWi-Fiを繋いで見ていたようです。その時は、夜しっかり寝ないと翌日塾で眠くなりしんどくなること、Tiktokは終わりがない沼なので、受験が迫り使える時間が限られているこの時期に選ぶコンテンツではないことなどを話して聞かせました。本人も「そっか」とは言ったものの、また隠れてやるんじゃないかと私が疑ってしまい、夜中にちょっとでも物音がしたらキッとなって「早く寝なさい」と怒りに行ってしまいます。小6娘のグループLINEが無法地帯!親がどこまで関わるべき?【小川大介先生の子育てよろず相談室】また、タブレットを見つけてきて勝手にWi-Fiに繋ぎ、SNSに登録して見ていたという事実が、私自身想像もしていなかったこともあり、とてもショックでした。SNSに安易に飛びついてしまうところを見ると、例えば「スタンプ送るから写真送ってよ」みたいなことにも引っかかりやすいタイプなのではないかと心配にもなります。とはいえ、親がずっと見張っていることはできないし、今の時代、全てのリスクから遠ざけるのは難しいとも感じています。受験期の今を含め、今後のSNSとのつき合い方について、親としてどう見守っていけばいいのか、悩ましく思っています。(Wさん・43歳)■【小川先生の回答】■子どもと相談しながら我が家のルールを設定するSNS問題については悩んでいる方がとても多いですよね。みなさんそれぞれにご家庭でルールを作られているかと思いますが、ルールを決める際に大切なのは、「本人がSNSについてどういう理解をしているのか」をしっかりヒアリングすること。時間についても、やりとりする内容についても、「これぐらいならやってもいい」と思っている「これぐらい」のラインはどこなのか、大人向けの「お利口さんな」お返事ではなく、本音としてどう思っているのかを聞かせてもらうことです。本人の想いや考えを聞かずに、親の押し付けたルールを設定してそれをやらせようとしても、本人が納得していなければ守るのは難しいでしょう。結局またコソコソ隠れてやってしまうことにもなりかねません。そのうえで、親としての考えも話してあげましょう。TiktokなどのSNSは、触り出したら自分ではなかなか止められないこと、だから安易に触るとまた寝れなくなるものなんだということは、教えてあげないといけませんね。そして自分では止められないからこそ、「見たい時は親のいるところで見る」「いつなら見てもいい」など、どうやったら安全に楽しめるのかを教えてあげて、本人と相談しながらルールを決めていくしかないと思います。■子どもを疑うのではなく、信頼したいという姿勢を伝えるルールを決めるにあたり気になったのは、「また隠れて見てるんじゃないか」とお母さんがお子さんを疑ってしまっている点です。「ルールを作ってもどうせ守れないでしょ?」とお母さんが思ってしまっていたら、それは本人も敏感に感じ取ります。子どもは信用しようとしてくれていることに応えようとするので、「どうせ信じてもらえてない」と思えば、ルール自体を軽んじてしまいます。まずは、お母さんが今までの関わり方を変えること。「あなたのことを信じようと思っているから、その代わり一緒にルールを作ろう」と本人に伝えることが必要です。■ルールを紙に書いて可視化するそしてルールを決めたら、それを必ず紙などに書いて見えるところに貼っておきましょう。目標を紙に書くと動き出しが良くなるのと同じで、可視化するということはとても重要。それを目にすることで意識が高まります。言いっぱなしで終わらせると、いつの間にかうやむやになってしまうことも多いので、決めたルールはしっかり明文化しておきましょう。そして、ルールを守っていることを時折褒めてあげることも必要です。ちゃんと見ているよ、ちゃんと信頼しているよ、という親の思いを折に触れて伝えるのです。そうすれば、自分自身の健康を守るためにルールがあるんだということを、本人も理解できるでしょうから、ルールを守ることに前向きになれると思います。■回答者Profile小川大介教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。最新刊は『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)。小川大介の見守る子育て研究所YouTubeチャンネル、公式LINEアカウントでも情報発信中。文=酒詰明子
最終更新:レタスクラブ