Androidをroot化する10の理由
Androidと言えばroot化(ルート化)。
でもなんであんな危ない危ない言われてるroot化をやるの? 「保証外、自己責任、文鎮化しても誰も責任とってくれないよ」って大書してるのに、そうと分かってroot化するメリットって何? 不思議に思ってる方はこれ読んでスッキリしましょ~。
AndroidはLinuxカーネルがベースなので、root(UnixやLinuxのシステムを管理する最高権限のユーザーアカウント名)を取得すると、全ファイルシステムにアクセスが可能になり、ブートイメージをカスタマイズしたり、携帯の全バックアップを作成したり、Linuxディストロをインストールしたりできるのです。そこまでギークなことには関心のない人でも、もっと身近なところにroot化するメリットは沢山あります。
最近では賢いデベロッパーさんたちのお陰でコンピュータスキル平均点の人でも簡単にルート化できるツールや手順の解説も揃ってきました。
Android人気端末別にroot化手順を常時更新しているフォーラムもいくつかあります。・Android Forums
・XDA-Developer Forums(登録方法-日本語)
root権限の取得に今すぐ挑戦してみたい方は、こうしたフォーラムに行って自分の端末を探して手順に従ってみてくださいね。過去記事「How To Root Your Android Phone Without Bricking It(ブリック化せずにAndroidフォンをルート化する方法)」(英語)とか見ると、そんなに難しくないことがわかると思います。
日本語では「Android端末root化対応表(root化可能な端末とroot化方法の一覧)」などが大変参考になります。他にも解りやすい手順解説ページがありましたらコメントでURL教えてくださいね。
理由10. ブロートウェア一掃
ブロートウェア...いわゆる「ごみウェア」。デフォルトの不要に立ち上がってくるアプリですね。Samsung Touchwiz、HTC Sense、Motorola MotoBlurといったメーカー独自のカスタムUIを採用している端末には、標準のAndroidの上に各メーカーさんが推奨アプリをあれこれバンドルしてるのです。そりゃまあ便利なものもあるけど、重くなるだけの使わないアプリも多く、端末の機能をわざわざ使えなくしてるものとかもあって、しかも大概はアンインストールできない! でも当然のことながら、rootとればアンインストールはできます。
理由9. オーバークロッキング(クロックアップ)
Android端末のrootをとると、一部ハードウェアコンポーネントへのアクセス権限も得られるので、オーバークロッキングもアンダークロッキングも思いのまま。1GHzのAndroidのCPUを1.6GHzまであげる、なんてことも割と普通にできます(不安定になるけど)。Android Marketにあるrootオンリーアプリ(ルート化した端末でのみ使えるアプリ)には、オーバークロッキングとアンダーヴォルティング(低電圧化)の両方ができるSetCPU(1.99ドル/169円、日本語評価)、Voltage Control(無料。エキストリーム版は3.36ドル、日本語評価)とかもあります。理由8. パフォーマンス
オーバークロッキングだけじゃない! ルート化したAndroid端末は、カーネルいじってパフォーマンスを上げることもできるのです。これは上述のアプリ、カスタムROM、自分独自の方法(上級者)でいじるわけですが、オーバークロッキングとダブルでやれば、例えばNexus Sならパフォーマンスが250%アップすることが分かっています。
大体のAndroid端末はEXT3ファイルシステムで安全なファイル出入力を確保してるんですが、多くの端末ではルート化すると、もっと高速なEXT4ファイルシステムにアップグレードが可能です。EXT4を入れるとストレージの安定性は若干犠牲になりますが、ロード時間も高速化し、全体的にソフトのパフォーマンスはスムーズになります。まあ、メモリが不安定になると、アプリがクラッシュしたりデータがロスる原因にもなりますが...そういうことが起こる確率は極めて稀です。
理由7. スクリーンショット
なぜかグーグルはAndroid 4 Ice Cream Sandwich(ICS)が出るまでネイティブでスクリーンショット機能を装備していませんでした。追加搭載している端末もありますけどね(Xperiaも秋の2.3.4.から使えるようになった)。「ICSのアップデート、新端末購入まで待っちゃいられない!」という人はroot化してScreenshot(無料、日本語レビュー)やPicMe(日本語レビュー)を入れてみましょう。「そのためだけにroot化するなんて面倒くさ~」という人は400円の「No Root Screenshot It」でもいいけど。理由6. 他にもこんなにある!ルートオンリーアプリ
Androidスマホをroot化したら何百、何千というお役立ちアプリが我がものに! ここでは10例ご紹介しますね。
• DroidWall - Android Firewall - (無料)データ使用中のアプリを全表示。要らないものは閉じて、パケ代節約。• Dual Mount SD Widget - (0.99ドル)SDカードをPCと携帯の両方同時にマウントできます。• Hexamob Recovery Pro - (1.39ドル) 内蔵メモリやSDカードからうっかり削除したファイルを回復。• Keyboard Manager -(無料) ポートレート(縦)とランドスケープ(横)、携帯の構え方ごとに別々のキーボードが割り当てられます。• LEDs Hack - (無料) LED通知(ノティフィケーション)を消すアプリ。夜、時計がわりに携帯使ってる人にはいいかも。• Root Call Blocker - (4.98ドル/無料トライアル版はここ)特定の電話番号をシステムレベルでブロックするので、着信しても電話が鳴らない!• Samba Filesharing - (無料) Wi-Fiで携帯とPCを繋いでファイル共有。Android端末のファイルもパソコンのWindows共有フォルダに出てきますよ。• Sixaxis Controller - (1.62ドル)PS3専用コントローラをAndroidにマウントしちゃえるアプリ。• With Theft Aware (無料)紛失・盗難時、遠隔からアクセスして携帯内の履歴やデータを消したり、相手に気付かれないまま端末を通して相手の行動をスパイできる超強力なセキュリティプログラム。サポート打ち切りになって、新製品「avast! Mobile Security」(無料)に移行するよう通知が出てますね。• Titanium Backup - root - (無料/Pro版は6.58ドル)root化したらこれ。最強バックアップツール。プリインアプリ(ブロートウェア)も無効化できます。
理由5. カスタムROM
改造が趣味の人たちの間では「AndroidのUIは電話会社のビジネス第一に考えられてて、ユーザー第一に考えられていない」という意識があって、やっぱり最高のユーザーエクスペリエンスを得たかったらユーザー第一のカスタムROMだよね、と言われてます。
カスタムROMは、要するにAndroid用にカスタマイズされたUIのこと。沢山ある中から自分の好きなものを選ぶことができます。キャリアがAndroid最新アップデートを正式リリースする前に取り込めるのや、エキストラの機能、スピード、安定性の充実を図れるものなどがあります。
ここでカバーし切れないぐらい改造の種類は沢山あるんですが、自分にとって何が一番重要か、プライオリティを考えて合うものを選びましょう。それかBoot Manager(2.99ドル)を買うと、ひとつの端末に最大5種類のカスタムROMを同時にインストしといて好きなものが選べます。
一番人気のカスタムROMとしては、パフォーマンスを最大に高めるCyanogenMod(テーマは選べる)も。これはGingerbreadベースで、撮影でTouch to Focus(タッチ・トゥ・フォーカス)機能が使えるほか、カスタムジェスチャー、パーミッション管理など多彩な機能が揃ってます。こちらはMIUI、中国の方が開発したROMです。これもGingerbreadベースで、異色のデザイン。執筆段階では対応機種はたった16種ですけど、毎週金曜日にアップデートが出ますので、ICSのROMがもっと安定してくるのに従って対応機種も増えていくのでは?
ROM探しにはXDA-Developers forumsやTheunlockr.comのリストで自分の機種を探してみてね。
理由4. Androidのアップグレードを自分のペースでやる
1年以上もFroyoで置き去り...やっとキャリアからGingerbreadのアップデートが出る頃には、もう次のICSが出てたりするわけですね、rootとってない携帯だと。
AndroidカスタムROMで最新Android OSを楽しみましょう。執筆段階ではAndroid 4 ICSのROMも既にウェブに飛び交ってます。まだ動作が不安定だけど、これがスムーズに動作するの待つ方が、ICS対応端末やICSアップデートが出るの待つよりは早いです。
理由3. バッテリーもち
カスタムROMの中には、携帯の設定、アプリ、ネットワーク作業管理、ブロートウェア削除で効率化図ってバッテリーもちを長くするROMも。ベータだけど、そのためのアプリ「Superpower」(無料/有料版は4.25ドル)もあります。rootとらなくても使えるアプリも数多ありますが、SuperPowerはエキストリームですよ。データ接続やら無線バンド、Wi-Fi、ブルートゥース、CPUスピードなどなど自動で管理できちゃうのです。で、この管理は画面の状態、Wi-Fi接続の状態、ダウンロード速度、前に出てるアプリ、テザリングの状態、スリープモード、充電状況など様々な要素を基に行います。ただしリスクも。ベータなのでバグもあるし、その辺は自己責任で、と開発者は呼びかけてますよ。理由2. Carrier IQを無効化
Carrier IQがいったい何で、どの端末に仕込まれていて、各社どう釈明しているのか、もうみなさんもご存知のはず。
Sprintとかはもう止めるって言ってますけど、「Carrier IQが携帯からこっそり集めた個人情報をどう使っているのか?」―ストレートな回答もらうのもひと苦労だし、もらっても疑い出したらキリないですから、一番いいのは自分で外してしまうことですよね。
外し方は、あのCarrier IQを最初に発見してデモ動画で暴露したトレヴォー・エッカート(Trevor Eckhart)さんが提供してます。彼がXDA-Developersフォーラムに投稿した無料アプリの「Logging Test App」を使えば、自端末にCarrier IQのようなプログラムが入ってるかどうかチェックできるんです。入ってる人はAndroid Marketに行って有料版「Logging Test App Pro Key」を買って、この現代のヒーローに99セントお小遣いを恵んでさしあげましょう。このプロ版でCarrier IQは外せます。他のプライバシー侵害ソフトも。もちろんAndroid端末をroot化してからじゃないと外せないけど。理由1. Because You Can―できるからやる
そこに山があるから、みたいな動機。Android端末をルート化する行為には、PCを自分で組み立てるのにも似た自分だけの満足感、解放感があるんですね。あとこれは解りづらい感覚だけど、責任感みたいなものもあるかな。耳触りのいいリップサービスばっかりでなんにもしてくれないメーカーやキャリアに中指立てるのは、これ、持ち主であるあなたの責任です。rootとれるからとる、これもあなたの責任・特権なのです。
グーグルはAndroidをオープンソースにしました。何千人という人たちがアプリをつくって、ROMをつくって、みんなAndroidをエンジョイして最強のスマホにできるようチャンスを開いてくれています。root化をパスすると、こうしたせっかくのチャンスも生かせません。
車は趣味じゃないかもだけど、ドイツのアウトバーンをポルシェ・ボクスターで流す自分を想像してみてください、前には完璧な路面の道がどこまでもひらけてる。あなたなら75mph(時速120km)に抑えます? それともアウトバーンなんだから3桁マイルまで飛ばしちゃう人?
3連休にニューオリンズ行ったら、やっぱりプラスチックコップで酒飲みながらバーボンストリートぷらぷら歩いちゃいますよね。...それができる街なんだから。
Androidフォン買ったみなさんは、1)スマートフォンのこと全然詳しくなくて単にプラン契約すれば無料でもらえる携帯を選んだ、見た目で選んだか、あるいは、2)他のモバイルOSにはないAndroidの柔軟性、カスタマイズできる自由度の高さに惹かれて買ったか、ですよね。だったらAndroidはrootしなくちゃ...だって、できるんだから。難しくないです。ちょっと楽しいし。陳腐なラブコメみたいなもので、やってるうちにコレコレこれを求めていたのだ、って思う瞬間があるかもですよ。
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