自宅療養の対応急ぐ コロナで富山県 コールセンター増員準備
●食事支援利用は1、2月で350人 県内で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、自宅療養者数が5千人に迫る中、県が対応に追われている。1月に健康観察を担うコールセンターを開設。2月下旬にいったん人員を減らしたが、2日に新規感染者が過去最多を更新したことなどを受け、再び増員の準備に入った。療養者に対する食事支援は1、2月に350人の利用があり、県は支援を充実させて容体の急変などに備えている。 県は富山市を除く14市町村の自宅療養者のケアに当たっている。自宅療養者は軽症や無症状で重症化リスクは低いとされるが、県はオミクロン株の流行に備えて支援体制を強化した。 コールセンターでは職員が電話確認するほか、厚生労働省が開発した健康観察ツールを活用し、スマートフォンやタブレット端末で発熱の有無などをチェックする日々が続く。2月中旬には最大12人体制で対応した。現在は6人に減らしているが、菊地正寛感染症対策課長は「また増やす準備をしている」と話す。 健康観察は昨年夏の感染「第5波」で1日2回行っていたが、自宅療養者の増加に伴い、現在は1回しかできない状態という。 食事支援では、パックご飯や缶詰めなどを送っている。感染力が強いオミクロン株では同居家族全員に感染が広がり、自宅療養が長期化するケースもある。県は自宅療養の留意点を記したしおりを県のホームページに掲示し、対策を呼び掛けている。 ●酸素測定装置を倍増 このほか、血液中の酸素飽和度を測る装置「パルスオキシメーター」を千台追加し、2千台にした。各地域の医師会に協力してもらい、自宅療養者に遠隔診療を提供する体制も整えた。軽症や無症状が多いため、遠隔診療を行う状態には至っていないという。 県内の自宅療養者数は2月14日に初めて3千人を上回った。20日に4千人を超え、28日に過去最多の4988人に上った。2日は4904人となったが、感染拡大のピークは見えておらず、5千人を超える可能性もある。菊地課長は「特に家庭内感染に気を付けなければならない」と述べた。