iPhoneの充電中に写真データをmicroSDに自動バックアップする「Qubii」
充電のたびにカメラロール内の写真を自動コピー
iOSの場合、iCloudフォトをオンにしておけば、写真データは自動的にクラウドにバックアップされるが、どのタイミングでバックアップされるのかはやや見えにくい。つまり「任意のタイミングで」、「クラウドに」バックアップされるわけだが、本製品は「充電のためにLightningケーブルにつないだ時に」、「メモリカードに」バックアップされる点が異なっている。
本体サイズはiPhone付属のUSB電源アダプタと同程度で、そのUSB電源アダプタに接続し、本製品のUSBポートにLightningケーブルを差し込んで使用する。つまり通常のつなぎ方は「USB電源アダプタ」-「Lightningケーブル」-「iPhone」となるところ、本製品を間に割り込ませて、「USB電源アダプタ」-「本製品」-「Lightningケーブル」-「iPhone」という取り付け順序になるわけだ。
利用にあたってはまずmicroSDを用意して本体に差し込む。言うまでもないが、バックアップする写真の容量を確認したうえで、なるべくそれをカバーできる容量のmicroSDを用意する必要がある。今回、筆者のiPhoneはカメラロール内で写真が占めている容量が約20GBだったため、32GBのmicroSDHCを使用した。ちなみに最大128GBのmicroSDXCに対応している。
本製品のUSBポートにLightningケーブルを差し込み、iPhoneと接続して使用するiPhone付属の電源アダプタ(右)とほぼ同サイズ。実際にこの順序で接続する最大128GBのmicroSDXCに対応しているLightningケーブルをつないだ状態で電源アダプタに接続する利用にあたっては専用アプリ「Qubii」をインストールしておくiPhoneを本製品に接続する前に、アプリを起動して写真や連絡先へのアクセス許可など初期設定を行なっておく利用にあたってはあらかじめiPhoneに専用アプリ「Qubii」をインストールし、写真などへのアクセス許可を選択しておく。試したかぎりでは手持ちのiPad(iPad mini 4)でも問題なく動作した。ちなみに連絡先へのアクセスは、初回は必ずオンにしなくてはいけないが、その後オフにしても構わない。
初期設定を終えてiPhoneを接続すると、アプリが起動してカメラロールがスキャンされ、バックアップが開始される。今回、筆者のiPhone内の写真データ約6,500枚(約20GB)のバックアップを行なったところ、約2時間でバックアップが完了した。そう高速ではないが、これだけの量をバックアップするのは初回だけで、次回からは差分のみなので、そう問題はないだろう。
いったんバックアップが完了すると、次回以降は接続するたびにカメラロールのスキャンが行なわれ、追加された画像の差分バックアップが自動実行される。いったんバックアップした画像は、カメラロール内で該当の画像を削除しても、バックアップ先で自動的に削除されることは(当たり前といえば当たり前だが)ない。
なお、本製品に接続するだけで無条件に自動バックアップが行なわれるようでは、悪意を持った第三者が別のQubiiを用い、盗難されたiPhoneから写真データを抜き取れてしまう危険がある。そこで本製品は、アプリ上でバインディングと呼ばれる認証作業を行なうことで、信頼したQubiiにのみ自動バックアップを許可する仕組みになっている。
初期設定を終えるとこのような画面になるので、iPhoneをLightningケーブルで接続するiPhoneを接続するとアプリが自動的に起動し、画面上部に通知が表示される「信頼しますか?」と尋ねられるのでOKをタップ。これでバインディング(認証)が実行されるmicroSDはexFATのみ対応。初回接続時にフォーマットを実行するメイン画面が表示された。このあとバックアップが自動的に開始される自動バックアップ開始。ちなみに何項目目かは教えてくれるが、残り時間は知らせてくれないバックアップ完了。今回は約20GBのバックアップに約2時間を要した次回以降の差分バックアップは、アプリを起動しなくとも行なえる。画面上には進捗が表示される秀逸なのは、バックアップを行なったあと、iPhone内のバックアップ済データを一発で削除する機能が用意されていることだ。同種のツールでは、バックアップ済データを削除するには、カメラロールを開いて対象のファイルを手動で選択しなくてはいけない場合がほとんどなので、この機能は嬉しい。
バックアップ済みの項目を一括削除する機能も備える。この画面はバックアップ完了を知らせる表示の手前で表示されるまた本製品はバックアップしたデータを復元する機能も搭載している。1枚ずつ指定することもできるほか、カメラロールごと書き戻すこともできるので、iPhoneの機種変更にあたって重宝する。Apple IDにひもづいているわけではないため、別のApple IDを持つデバイスへの復元も可能だ。
余談だが、この「一括削除」と「復元」を併用すれば、カメラロール内の写真の整理が容易に行なえる。つまり一旦まるごとバックアップしたのちカメラロール内の写真を一括削除し、その上でバックアップデータから必要な画像だけを選択して復元するのだ。カメラロール上で不要な画像を選んでからバックアップを実行するより、手間も圧倒的に少なくて済む。
ホーム画面で最上部の「Qubii」メニューをタップするとバックアップ済データが表示されるバックアップ済みのデータ。月ごとに表示される。タップするとサムネイルが表示されるiPhoneへの復元が可能。個別または一括での選択が可能。写真はプロパティを見る限りオリジナルと同一で、Exifデータなどもそのままだちなみに本製品からiPhoneに復元したデータは、バックアップの対象からは除外されるため、別のiPhoneに数十GB単位の写真をごっそりと移動させた直後に、またそれがバックアップされるようなことはない。雑なアプリならば二重にバックアップしかねないところ、きちんと考えて設計されている印象だ。