LANケーブル、丸い/平たいで性能は変わる?
ワイヤレスの時代なんだからLANケーブルなんて必要ない、などと短絡的に考えていませんか? 超高速の5Gが本格的に普及する未来はともかく、インターネット回線を家に引き込む手段が光ファイバーなど有線に頼る現状、LANケーブルは必要な存在です。
LANケーブルは形状にも注意を払うべきです(写真はバッファロー製のLANケーブル)たとえば、光ファイバー回線の終端装置(ONU)やADSL/VDSLモデムとWi-Fiルータをつなぐとき。ルータと集線装置(HUB)をつなぐのも、やはりLANケーブルです。回線を引き入れた場所から壁を挟む場所でインターネットを利用したいときも、LANケーブルを延ばしてWi-Fiルータを設置したほうが通信は安定します。そんなLANケーブル、断面が丸いもの、きしめんのように平たいものなど、いくつかの形状が存在します。色や長さ、価格が自分の狙いどおりだから形状は何でもいいだろう...いえいえ、形状にも注意を払うべきです。最大の理由が「ノイズ」。他のLANケーブルや家電製品の電源線などと密着させる形でLANケーブルを敷設すると、速度低下など通信に悪影響をもたらす形でノイズの影響を受けることがあるのです(エイリアンクロストーク)。この問題は、10GBASE-Tなど高速なLANケーブル規格でより深刻になります。ノイズの影響を防止するためには、ノイズ対策済みのLANケーブル(シールドケーブル)を導入することになりますが、ケーブルの形状も無関係ではありません。断面が丸いスタンダードタイプと比較すると、平たいフラットタイプは導線が細めでノイズの影響を受けやすいからです。短い距離を美観を意識しつつ配線したい場合はフラットタイプを選ぶとしても、長距離かつ他のケーブルの近くを通って配線する場合にはノイズ対策万全なスタンダードタイプを選ぶほうが通信は安定しますよ。