関空直結のエアロプラザに1泊6200円からのコンパクトホテル「ファーストキャビン関西空港」
ファーストキャビンは3月30日、関西国際空港に直結するエアロプラザ3階に「ファーストキャビン関西空港」を開業する。それに先立つ3月28日、報道関係者向けの内覧会を実施した。
ファーストキャビンは、飛行機のファーストクラスをイメージした「コンパクト&ラグジュアリー」をコンセプトとする、いわゆるカプセルホテルの形態のコンパクトな宿泊所となるが、“ラグジュアリー”が示すように品質の高いサービスを提供することを特徴とする。例えば、ホテルの支配人は高級ホテルのようにタキシードを着用し、レセプションでは当日予約をしている宿泊客の国籍の国旗を立てて迎える。また、リピーター客に対しては支配人からのウェルカムカードも用意するという。
このファーストキャビン関西空港は、ファーストキャビンとして10店舗目、空港エリア内店舗としては「羽田空港」に次いで2店舗目、関西圏では「御堂筋難波」「京都烏丸」に次いで3番目の店舗となる。関空第1ターミナルに直結するエアロプラザの3階、ホテル日航関西空港も入っている建物の一角にオープンする。開業前ということでファーストキャビンの名前はテープで隠されていたが、エアロプラザの館内マップなども開業に向けて準備が進められていた。
このエアロプラザは第1ターミナルに隣接しているので、第1ターミナル発着の航空便を利用する人にはもちろん便利な立地だが、第1/第2ターミナルの連絡バスもエアロプラザの脇に停留所があるので、第2ターミナルから第1ターミナルへ行く場合にもエアロプラザを通る必要がある、その意味では、エアロプラザ内は第2ターミナル発着の航空便を利用する人にとっても便利な立地といえるだろう。
エアロプラザはJR西日本/南海電鉄の関西空港駅を挟んで関空第1ターミナルの反対側にある建物。館内マップではまだテープで隠されていたが3階の突き当たりに位置するファーストキャビン関西空港の入り口ファーストキャビン関西空港のレセプションデザインコンセプトは「和」。行燈や格子のオブジェなど「押しつけがましくないぐらいの“和”」(同社の来海社長)の雰囲気にまとめている予約者の国籍に合わせて国旗を用意してゲストを迎えるレセプションエリアにはグランドピアノもあり“ラグジュアリー”感を高めている。「FIRST CABIN」のロゴが入った壁は竹林のような透かし模様が入っているレセプション脇にあるラウンジ。こちらは男女関係ないフリーエリア2種類の椅子。左側がテーブル、右側がカウンター席で使われているカウンター、テーブルともに、椅子1脚に対して1口のコンセントを備えているラウンジの奥には清涼飲料水とアルコールの自動販売機と喫煙所レセプションには関空の発着案内をリアルタイムに表示するディスプレイも備えている客室は上下1段のいわゆる“キャビンタイプ”で、男性用が94キャビン、女性用が59キャビンの計153キャビン。男性と女性はゾーンが完全に分かれており、カードキーをかざさないとそれぞれのエリアには入れないようになっている。男性ゾーンは3階と2階に分かれており、階段で行き来する。女性ゾーンは3階のみに収まっている。
男性、女性それぞれのゾーンも「ファーストクラス」「ビジネスクラス」と2クラスのキャビンに分かれており、男性用ファーストクラスキャビンが9キャビン。女性用ファーストクラスキャビンが12キャビン、残りがビジネスクラスキャビンとなる。
ファーストクラスキャビンは4.4m2で、120cm幅のセミダブルベッドを装備。キャビン内に靴のまま入ることができるほか、サイドテーブル、ベッド下に広めの鍵付きセーフティボックスを備えるといった特徴がある。
ビジネスクラスキャビンは2.5m2で、100cm幅のベッドを装備。ビジネスバッグ程度のサイズを収納できるセーフティボックスを備えるほかは、キャビン全体がベッドになっている、カプセルホテルらしい作りだ。
ただ、両キャビンともに高さが2.1mあるので、キャビン内での閉塞感はそれほどないほか、32インチの液晶テレビ、Wi-Fi(無線LAN)インターネット、枕元のAC電源など設備は必要十分。テレビはイヤフォンのみで音を聞けるようになっている。ちなみにエアコンは温度が一元管理されており、各キャビンの風量のみ調整が可能。必要に応じて追加のシーツを無料で借りられる。
ちなみに、各キャビンの扉には鍵はない。荷物は各キャビンのセーフティボックスのほか、各ゾーンにいくつかのオープンなスーツケース置き場がある。荷物チェーンの貸し出しサービスがあるほか、レセプションでもクロークサービスを行なっている。
宿泊料金はファーストクラスが7200円、ビジネスクラスが6200円。チェックインは19時、チェックアウトは10時。2時間からのショートステイにも応じており、この料金はファーストクラスは1時間あたり1000円、ビジネスクラスは1時間あたり900円となっている。
ビジネスクラスのキャビンベッドは100cm幅。脇に幅20cm程度のカウンターがあるカウンターの入り口寄りの部分にセーフティボックスがあるビジネスクラス、ファーストクラスともに32インチのテレビを装備。音声はイヤフォンでのみ聞けるAC電源を2口装備。ダイヤルはライトの光量調整とエアコンの風量調整ハンガービジネスクラスキャビンが並ぶ廊下。ビジネスクラスは扉を上下に開閉するファーストクラスキャビンファーストクラスキャビンは120cm幅のセミダブルベッドを備えるうえに空いたスペースがあり、サイドテーブルも置かれているファーストクラスキャビンは横に開く扉ファーストクラスキャビンが並ぶ廊下ベッドサイドのスペースには土足で上がれるベッド下にセーフティボックスを装備。飛行機の機内に持ち込めるサイズ程度は入りそうで、短期滞在で一般的に持ち歩くであろう荷物量に対しては十分な大きさがあるファーストクラスキャビンは枕もセミダブルサイズのものを追加で備えているハンガー鏡があるのもファーストクラスキャビンの特徴ベッドサイドにAC電源2口とデジタル時計、光量調整とエアコン風量調整ツマミサイドテーブルの脇にもAC電源を1口装備。こちらにも光量調整でき、2つのライトを独立して光量調整できるパジャマとバスタオル、フェイスタオル、ウォッシュタオル(ハンドタオル)、歯ブラシが標準で付くパジャマは男性用がネイビーブルー調のものにグレーのロゴマークをあしらったもの。女性用がチャコールブラウン調のものにピンクのロゴマークがあしらったものと違いがあるところどころに備えているスーツケースなどを置くためのスペース。荷物チェーンの貸し出しもしている無料で貸し出しているものを置いているスペースも各エリアに1~2カ所ずつあり、加湿器、除菌消臭剤、追加の毛布、ズボンプレッサーが置かれていた男女ゾーンそれぞれに大浴場を備えるのも特徴。キャビン数が多いので男性用の浴場の方が広く、カランスペースの数も多い。それぞれがパーティションで仕切られており、シャワーが隣の人にかからないようにしている。また、特に外国人を中心に“裸の付き合い”が苦手な人がいるなどの理由で、シャワー室も男性3ブース、女性2ブース備えている。
パウダールームも男性と女性では装備が異なっており、女性ブースには資生堂の化粧水や乳液、メイク落とし、洗顔料を備えていたり、ヘアアイロンを備えていたりする。一方の男性ブースにはひげ剃りやシェービングウォッシュ&ローションなどを備えている。また、シャンプー、リンスといったトイレタリーも男女で異なるものを用意している。
バスエリアには男女ともにコインランドリーも備えており、洗濯300円、乾燥30分あたり100円で利用できる。
男性ゾーン。入り口は非接触IC型のカードキーで開ける大浴場へ向かうエリアにパウダールームドライヤーは1席に1個ずつ備わっている男性向けパウダールームにはひげ剃りやシェービングウォッシュ&ローションなどを用意中長期のステイにも便利なコインランドリーシャワールームも3ブース用意シャワールームは扉のなかに脱衣スペースがあるトイレタリーは大浴場と同じものを一通り揃える男性用の大浴場大浴場の脱衣所カランは8ブース。パーティションで区切られているシャンプー、コンディショナー、ボディジェル、シェービングウォッシュトイレもアートが飾られるなど和の雰囲気を醸し出す。個室はTOTOのウォシュレットを採用している女性ゾーンもカードキーを使って入るが、レセプションから客室入り口までがL字になっており、外から客室が一切見えない構造になっている女性用のパウダールーム。客室数に応じて、ここの座席数も男性用より少ない資生堂の化粧水や乳液などを備えている一部座席のみではあるがヘアアイロンも用意。通常のドライヤーは全席に備わっている右側の2ブースがシャワールーム、左側の2ブースがトイレシャワールームの構造は脱衣所がある点も含めて男性用と同じトイレタリーは男性用とは異なる。洗顔料やメイク落としも備えているコインランドリー女性用の大浴場女性用大浴場の脱衣所女性用大浴場のカランは4ブース男性用とは異なるトイレタリーを備えている女性ゾーンの奥には窓があり、カーテンの裏側にまわると関空の第2滑走路を望むことができる(写真はカーテンを開けて撮っているが通常は閉められている)