買い物、投資ついでに「ポイ活」─ FPが教えるラクに貯める方法と運用のコツ
「ポイ活」といえば、コツコツとポイントを貯める方法を徹底し、毎月数万円分のポイントを得る。そんなイメージがありませんか。
「○○経済圏」「ウェル活」などショッピング系のポイ活はよく知られていますが、最近はポイントアプリというものも出てきていて、動画閲覧やアンケートモニター、サービス契約、買い物などでポイントを貯められます。なかには歩くだけでポイントがたまるというアプリもあります。
ポイントに触れる機会は多いですから、ポイ活をはじめようと思う方は、興味があるもの、ご自分に合った方法で無理しすぎない範囲で、はじめられるとよいでしょう。
今回は、私が家計相談などでお伝えしている簡単なポイ活の考え方や取り組み方について、皆さまにもご提案します。
なぜ貯めたいのか、ポイントを貯める目的をもつ
なぜ、ポイ活したいのでしょうか。ポイントを貯めると、現金のように買い物に利用できたり、商品や商品券などに交換できたり、ポイント投資ができたりします。募金に充てられるポイントもあります。
これらの目的をどう設定するかにより、貯めるべきポイントや貯め方が違ってくるでしょう。ただなんとなくお得そうだから、とはじめるのもよいのですが、それではポイントがあちこちに散らばってしまい、効率よく貯まりません。
目的を持たずに始めるとポイントから恩恵を受けるのに、かなりの時間が必要となるかもしれません。それではポイ活とはいいがたいですから、自分が貯めたいポイントをはっきりさせて、意識的に貯めていくようにしましょう。
自分に合った取得方法で効率よく貯めるには?
ポイントは、クレジットカードやQRコードのような決済ツールに付随して発生するものや、サイトやアプリに登録して動画閲覧やクレジットカード申込、アンケートの協力などで得られるものなど、取得方法が複数あります。
買い物で自然に貯まるのがよい人は、なるべく現金払いをしないなど心掛けます。また、多少手間がかかっても積極的に貯めたいなら、ポイントサイトやポイ活アプリで稼いでもよいでしょう。
まず、決済で得られるポイントを集めるには、決済手段を1つ、2つに絞ることが有効です。また、決済法だけで得られるポイントだけではなく、共通ポイントであるTポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、dポイントを中心に考えてもよいでしょう。
インターネット上で得られるポイントは、「PeX」のような複数のポイントをまとめて貯め、交換できるポイントサイトを利用すると、有効期限切れも起こりにくくなります。
定期支払い・投資も定期的にポイントを貯めるチャンス
クレジットカード払いでポイントを得るには、通信費、生命保険料、水道光熱費など毎月支払を口座振替・現金払いではなく、カード決済にすることも有効です。
ポイントを貯めている人には当たり前の手段ですが、家計の管理をしっかりしようと思うと、後払いになるクレジットカード払いは敬遠しがちかもしれません。ですが、定期的な支払いに利用する分については、管理も特に難しくないので、むしろ利用したほうがよいと考えています。
貯まったポイントを投資へ活用する
これと似たもので、積み立て投資の掛け金をクレジットカードで支払うと、ポイントがたまるというサービスもあります。
SBI証券で三井住友カードからつみたてNISAなどの積立投資を行なうと、カードの種類により0.5~2.0%のVポイントがもらえます。
貯まったポイントは「Vpass」か「SMBCダイレクト」を連携し、支払いに使ったり、銀行口座に還元することができます。
楽天でも同様のことができます。楽天カードで積立投資をすると、100円当たり1ポイントの還元。還元されたポイントはショッピングに使ってもよいですし、さらにそのポイントで投資信託へ投資するということもできます。
どちらも投資の掛け金を決済できるのは、5万円が上限。ですが、積立投資でしたら毎月一定額を積み上げていくものですから、家計管理にも響かずラクにポイントを貯められそうです(今後、ポイント付与率の見直しが行なわれる見通しもあります)。
ポイ活は無理なく、でも効率よくはじめる
ポイ活は、初めから達人級にやろうとすると、疲れます。そうすると、途中でイヤになったりし、続きません。一番良いのは、日々の生活のなかで、無理せずポイントを得られること。
さらに、できるだけ同じポイントを得られるよう、散らばらないようにするのが、効率よく貯め、家計もしくは自分のこづかいとして還元するためのコツでしょう。
決済手段のポイント×共通ポイントで「二重取り」を
共通ポイントといわれる、Tポイント、dポイント、楽天ポイント、Pontaポイントを中心に貯めるのもよいでしょうし、決済手段のポイントを集中して貯めるというのもよいでしょう。
いま大手チェーン店などでは、店独自のポイントと共通ポイントをダブルで貯められるようになってきています。さらに決済でポイントが貯まれば、一回の買い物で幾重ものポイントが貯まっていく仕組みが生まれています。
例えば、QRコード決済などでは、チャージのもとになるところを銀行口座にせず、デビットカード、クレジットカードにすると、簡単にポイント二重取りが叶います。
得られるポイントは、1%ほどの還元があれば、「高い」といえます。組み合わせて、2%、1.5%など得られるなら、毎月の生活費の支払いだけで、結構貯まっていくかもしれませんね。
給料の増えない時代、ポイントはちょっとした楽しみを得るための助けになることもあります。無理せず貯めて、楽しい暮らしにつなげていきましょう。
横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計330万部となる。
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