au、国内初のWindows Phone 7.5スマートフォン「IS12T」
Windows Phone IS12T |
auは27日、スマートフォン「ISシリーズ」の新製品として、日本初のWindows Phone 7.5搭載モデル「Windows Phone IS12T」を発表。9月以降に発売する。カラーはシトラス、マゼンタ、ブラックの3色。
軽快な新UIやエンタメ機能などが特徴のWindows Phone 7.5を搭載した、富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製の端末。ディスプレイは3.7型/800×480ドット。DLNAアプリ「リンクキャビネット」も搭載し、IS12Tで撮影した動画/静止画を対応テレビ/PCの画面にネットワーク経由で再生できる。本体はIPX5/7/8の防水、IP5Xの防塵仕様。なお、ワンセグ/FeliCa(おサイフケータイ)/赤外線通信には対応しない。
本体カラーは3色 | 側面 | 背面 |
Windows Phone 7.5では、新インターフェイス「ライブ・タイル」を採用。大きなタイル状の表示で、アプリ名だけでなくそのアプリ内の状況(カレンダーアプリ内の直近の予定など)まで表示。画面は横長の仮想ディスプレイとし、横スクロールで片手でも滑らかに操作できるという。また、ソーシャル機能ではアドレス帳「Peopleハブ」で連絡先やメール、SNSなどの情報を個別アプリではなく一元管理可能。
独自UIのライブ・タイル | 横長のバーチャル画面を採用 | 縦一列にアプリを並べて表示することも可能 |
左からシトラス、マゼンタ、ブラック |
「Zune」機能による動画/音楽再生や、FMラジオ受信にも対応。楽曲の管理はマイクロソフトがIS12T発売に合わせて無料配布するPCソフトの「Zune」で行ない、USB経由でIS12Tと同期できる。なお、海外のZuneでは楽曲配信も行なっているが、国内での配信サービス提供については未定。なお、楽曲購入/再生機能の「LISMO」や、ラジオ配信の「LISMO WAVE」、クラウド音楽配信の「LISMO Unlimited」には対応せず、今後の対応については未定だという。
Windows Phone向けの楽曲配信サービスとしては、music.jp(エムティーアイ)が、定額聴き放題のサービスをIS12Tの発売とほぼ同時期に開始予定。このサービスは同社がAndroidスマートフォン向けに提供している「music.jp stream」と同様に、ストリーミングで楽曲が聴けるというもの。
利用料金は、楽曲の再生時間に応じて月額無料~1,575円で4種類のコースを用意。無料では5時間までで再生端末1台、399円で20時間まで/1台、1,050円で50時間まで/2台、1,575円では無制限/3台となる。2台以上使えるコースでは、AndroidとWindows Phoneの端末を1つのアカウントで併用することも可能だが、複数台の利用は契約者が1人の場合のみとなる。
また、レコチョクからも楽曲配信アプリを提供予定。レコチョクのアプリで購入した楽曲は、Zuneのプレーヤーで再生できるようになるという。
本体は防水・防塵仕様 | メディアプレーヤーのZuneを搭載 | Xbox LIVEも利用でき、対戦ゲームやコミュニケーションなどが可能 |
DLNAアプリ「リンクキャビネット」の画面 | キーボードは、濁点もスムーズに打てる独自方式 | 連絡先やSNSを一元管理できる |
別売で、UNITED ARROWSなどのファッションブランドとコラボしたケースも販売。価格は2,980円の予定 |
連続通話時間は約400分、連続待受けは約280時間。外形寸法は約118×59×10.6~13.3mm(縦×横×厚さ)、重量は約113g。
なお、料金プランやパケット定額プランについては、従来のauスマートフォンと共通。7月28日よりKDDIデザイニングスタジオ(東京・原宿)とau NAGOYA(愛知・名古屋)にて展示される。
Officeのファイルも閲覧/編集可能 | SkyDriveでのクラウド共有機能も搭載。オフィスや個人で活用できるとしている |
■ スマートフォンの未来が、気持ちよさの次に見えてくる
KDDIの田中孝司社長 |
「プロなので、当然いろいろなスマートフォンを使っている」という田中氏は、使い勝手の率直な感想として「最初の1日~1日半は、とっつきにくい印象があるが、それを過ぎると、スムーズな動きなどでだんだん気持ちよくなる」と表現。報道陣に対し「使って5分で『こういうものだ』と認識するのではなく、ちょっと使い込むことをお勧めしたい」と語る。
「SNSを登録すると『SNSの世界って、こうなるんだよ』という意味で、じわじわ気持ちよくなる。さらに、私のようなプロは、クラウドとの連携などをつかうと、ますます気持ちよくなる。スマートフォンの未来が、気持ちよさの次に見えてくるのでは。プロである私のレコメンデーションを経験して欲しい」と述べた。
想定するユーザー層について田中氏は「法人にも個人にも使える。ダイレクトに“この層”というのではなく、幅広く使ってもらえるように、その良さを分かってもらえるプロモーションをしなければ」とした。なお、これまではスマートフォンを「Android au」として訴求してきたが、Windows Phoneのプロモーション方法については検討中だという。
「いいモノを、いち早く」提供するという意図でWindows Phone 7.5端末を採用 | auのWindows Mobile 6.5.3搭載「IS02」との比較 | マイクロソフト、富士通東芝モバイルコミュニケーションズとの連携で「ワクワク感」をユーザーに届けるという |
日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、「Windows MobileからWindows Phoneへとリブランドし、“Mango”というコードネームで呼んでいた新バージョン7.5が、世界で初めて日本で投入されることになる。Mangoでは500以上の機能を追加し、21言語に対応した。総力を挙げて、7.5で巻き返したい」との意気込みを見せた。IS12Tに搭載した新インターフェイス「メトロデザイン」は、今後、マイクロソフトの統一的なデザインとして採用していくという。
アプリを販売する「Marketplace」は、Windows Phone 7.5からは、35カ国で提供。英語版のアプリは現在24,000個販売されており、1日100個のペースで増えているという。
スマートフォンで他社に後れを取ったことに対しては「スマートフォンはまだ黎明期なので、いかようにも挽回できる。ハードとソフトをまとめた方が立ち上げは早いが、我々はソフトに特化した会社。バリエーションは、パートナーシップを活用した方が広がる」との見方を示した。販売台数目標や投入予定機種の数については明らかにしなかったが、「まずは最初の投入なので、この第一歩を成功させないと拡大も無い、ぐらいに思っている」と述べた。
日本マイクロソフトの樋口泰行社長 | Windows Phone 7.5(Mango)の進化 | 富士通東芝モバイルコミュニケーションズの大谷信雄社長も登壇し「スマートフォンの可能性を広げる製品」と自信を見せた |