Logitech Gシリーズの次の革新はゲーミングマウス“ワイヤレス充電”だった!
ワイヤレスゲーミングマウスの最後の課題を克服する究極のソリューション「POWERPLAY」
Logitech GポートフォリオマネージャーChris Pate氏Logitechの次なる一手はワイヤレスチャージングシステムだった「POWERPLAY」の構成内容。マウス以外マウスパッドは、ハード/クロスタイプから選択できる――今回発表したワイヤレスチャージングシステム「POWERPLAY」を開発した経緯を教えて下さい
Chris Pate氏: 我々Logitech Gチームは、デザインとテクノロジーをもってゲームをさらに進めるということを課題として取り組んでおります。私たちは、情熱をもってゲーミングギアの開発に取り組んでおりますので、一番先進のギアとゲームエクスペリエンスを、お客様に提供することをモットーとしております。
ワイヤレスチャージングシステムのお話をする前に、まずはワイヤレスゲーミングの話から始めていきます。去年「G900」を発表しました。当時、ワイヤレスゲーミングの中では解消するのが難しい問題が3つあるといわれていました。1つはコネクティビティ周りです。遅延です。2つ目がバッテリーの寿命。一番大切な時にマウスが止まってしまうことがないようにするということ。3つ目は重さです。過去にはバッテリーが重すぎて、ゲーミングマウスとしてはあまり適してないということだったので、それが3つ目の懸念事項でした。
私たちのワイヤレスデバイスは、自信をもってワイヤレスマウスの中でもどれよりも速く、同時に強靭なものということで、“ライトスピードマウス”と呼んでいます。次にバッテリー寿命ですが、これは過去のものに比べてかなり改善が測られています。競合他社のものよりもサイズは半分なのにバッテリー寿命は2倍ということで、PMW3366と組み合わせても十分に耐えられるということです。皆さんから「これが一番ベストだ」と評価を頂いています。
3つの目の重量では、機械的な工夫と設計の工夫で他社に比べて23%も重量を減らすことができています。そういったバッテリーの大きな進展があったにも関わらず、ゲーマーのようです。週に1回も充電すれば十分なのですが、それでもお客様はもっと改善を求めーの皆さんはまだ理想の状態には至っていないというふうに、まだ多少の不満を持っていますし、私たちも改善を求めてきました。そして新しいバッテリーを考えました。これはゲームチェンジャーになると思っています。
今回発表する「POWERPLAY」は全く新しいゲーミングエクスペリエンスを提供するものだと思っていて、インフィニットパワー、無限のパワーと呼んでいます。私たちはこれでワイヤレスの自由を提供することを標ぼうしています。つまりケーブルというわずらわしさからも解放されるし、デッドバッテリーのわずらわしさからも解放され、ライトスピードワイヤレスのパフォーマンスという大きなメリットを享受することができます。
「POWERPLAY」の構成要素ですが、まずベースがあって、その上にマウスパッドを置いて使います。マウスパットはハードとクロスという2つの選択肢があります。
――マウスパッドが標準で2枚付いているのは、好みに応じてハードタイプとクロスタイプをどちらでも使えるようにするためですか?
Pate氏:そうです。どちらかを選べばいいです。クロスが好きな人とハードが好きな人で、好みが分かれますので。ワイヤレスチャージングシステムはそんなに安いデバイスではないので、パッドが摩耗したときに、システムを全部取り替えなくてもいいように、このパットだけを替えればいいようになっています。
――自分の愛用のマウスパッドは使えないのですか?
Pate氏:それは厚みと素材によります。この仕組みなんですが、パワープレイベースが電磁界を作ります。それが表面のエリアに広がって、マウスを充電します。もしあまりパッドが厚すぎると、パワーモジュールが電磁界の中に入れなくなってしまいますので、そうするとエネルギーを補充できなくなってしまいます。
――「POWERPLAY」は実際にどのようにして使うのですか?
Pate氏:秘密をお見せしますね。非常にシンプルです。現在のワイヤレスマウスと同じように、パワープレイベースをPCのUSBポートに接続して、パワーモジュールに対応しているマウスに取り付けるだけです。非常に簡単にセットアップできます。
――「POWERPLAY」はかなり長いケーブルになっていますが、これによってレイテンシに影響はないのですか?
Pate氏:問題ありません。もともとワイヤレスマウスのワイヤレスレシーバーもケーブルの先にアダプターを繋げる形で、あらかじめケーブルも考慮して設計しています。
――パワーモジュールに対応するマウスとは?
Pate氏:まだ最終的に確定ではありませんが、2つのモデルを予定しています。1つは、「G900」の後継機となる「G903」。これは「G900」のアップグレード版で、オフィシャルにサポートしています。それから「G703」ですね。「G403」のアップデートが「G703」になります。「G403」については、まだ確定ではありませんが、アップデートでの対応が予定されています。
――なるほど「G403」背面のウェイトを入れる部分に、ウェイトの代わりにパワーモジュールをはめ込むわけですね。パワーモジュールとウェイトを両方使うこともできますか?
Pate氏:それはできません。物理的な寸法でフィットしないのです。
――今私は「G900」を使っていますが、この「G900」ではワイヤレスチャージングシステムは使えないということですか?
Pate氏:パワーコアを装着できないので使えません。「G900」をアップデートして、パワープレイを使えるようにしたものが「G903」です。
――では、Logitechの現行ラインナップの中で、ワイヤレスチャージングシステムに対応するモデルは「G403」だけですか?
Pate氏:「G403」もまだ対応すると確定したわけではありません。保証はできないけれど、そのようにしたいという意向です。発売の時にはまだサポートしていないという形になります。今後のファームウェアのアップデートを待っていただく形になります。ワイヤレスチャージングシステムが正式対応しているモデルは、新しい機種の「G903」と「G703」のみになります。我々から「G403」がワイヤレス対応するという風に謳うことはありません。
――ちなみに現行モデルの「G900」、「G403」と、後継モデルの「G903」、「G703」の違いはワイヤレスチャージングシステムへの対応のみですか?
Pate氏:耐久性が増しています。5,000万回のクリックに耐えられるテストを行なっています。「G900」は2,000万回だったので、耐久性が2.5倍ですね。
そのほかの機能は、ほぼ「G900」の機能を踏襲しておりまして、3gだけ重量は増しますが、だいたい同じような軽量性を実現しております。受信側のケーブルやアダプターも同じになっています。これは「G900」で私たちが先進的に作ったものなのですが、ほかの会社がいまコピー商品みたいなものを出しております。テクニカルな詳細を見るとPMW3366というセンサーも同じ、オンボードメモリーも同じ。ほかのパーツも同じか、少し改良が加わっている状態になっています。
「G703」は先ほどお話したように、「G403」のアップグレードでして、ファームウェアとかが入っている状態でエレクトロニクスの部品は少し違うのですが、こちらもスイッチの耐久性が5,000万回にアップグレードされております。「G903」と同じライトスピードテクノロジーが搭載されておりますので、順次「G403」とリプレイスされることになります。
――スイッチの耐久性が2.5倍になったというのは興味深いのですが、何がどう変わったのでしょうか?
Pate氏:オムロンからもっと寿命の長い、違うコンポーネントを購入しました。
――この同じコンポーネントを使っているマウスが存在しますか?
Pate氏:はい、このコンポーネントを使っている競合製品はすでにあります。
――なるほど、この5,000万回というのは、ゲーミングマウスの業界標準になりそうですか?
Pate氏:業界スタンダードとまではいいません。ただ、過去にあったものの持続性、耐久性からいいますと、新しいレベルの耐久性にはなったということだと思います。