Windows XPを使い続けている「家族や友人」を助けてあげてほしい:鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8.1」
2014年4月9日(日本時間)、Windows XPのサポートが終了する。
この件は過去に何度か記事にしてきた事柄ではあるが、2001年8月のデビューからおよそ12年半、3回のService Pack提供や2009年4月のメインストリームサポート終了を経て、延長サポート期間も間もなく終了する。そんな中、MicrosoftからこんなBlog記事(Windows Experience Blog:Help your friends and family get off Windows XP)が2月7日(米国時間)に掲載された。簡単にいえば「Windows XPを使い続けている“友人”や“家族”のアップグレードを助けてあげてほしい」という話だ。
業務で必要な例が多い法人層は除き、Windows XPをまだ使い続けている個人ユーザーとはどんな方か。その多くは2007年1月のWindows Vistaリリース以前、おおむね7〜8年ほどは経ったマシンである可能性が高い。米国にいる友人の1人も、Windows Vistaがリリースされる直前となる2006年末に購入したHPのノートPCをいまだ現役で毎日使い続けていたりする。
こちら、乗り換えない理由は「コスト」「手間」などさまざまあるが、なにより「まだ使えている/困っていない」ことが大きいという。「まだ使えている」の部分は今回のWindows XPのサポート終了により怪しくなる。この友人の場合は「Windows XPでなければ使えない」と条件のあるソフトウェアやサービスは使ってはいないようだが、普段使うソフトウェアも対応を終了するなどデメリットも顕在化してくると思われ、近いうちに乗り換えを検討することになるだろう。この際に手順などをサポートしてあげようと思う。
ともあれ、自身の環境はすでに対策を終えているであろうPCに詳しい人は、「あまり知らない」「どうすればいいか分からない」という家族や知人のPC環境についても、つまりどういうことか、何が危険か、具体的にどうすればいいかについて、どうかサポートしてあげてほしい。
個人ユーザーにおける乗り換えは、正直なところある程度楽観視しているところがある。ハードウェアの老朽化や故障、危険性を知ること、サポート終了による不自由などを経ると、段階的にとはいえ、どのくらい期間がかかるかはさておいて乗り換えは自然に進むとみられるからだ(同様に、とっくにサポートを終了しているWindows 95、98時代のマシンのように)。それでも意図してWindows XPを使い続けるユーザーは、その危険性は熟知したうえで運用する層に限られてくる。
それより難しい例は、やはりビジネス現場でのOS/システムの乗り換えだ。社内のカスタム/業務システムには特定の動作環境に依存するケースも多い。例えば「Internet Explorer」のバージョン依存の部分などはシステム管理者の悩みの種であり、Javaなどランタイム環境のバージョンによっても動作不良を起こすケースもある。
また、すでにWindows 7環境へ移行を済ませた企業であっても、Windows XP Modeによる仮想環境で応急処置した例などはないだろうか。この手段も、今回のWindows XPのサポート終了とともに実質は使えなくなる。遠からず業務システムそのものの刷新が必要となるわけだ。
このほかにも、もっと危機的なケースがある。こちらは次回以降、事例とともに紹介しよう。
(続く)
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