美麗な有機ELで進化したクリエイター向けPC、ASUS「Vivobook Pro 16X OLED」
ASUSのノートPCの人気モデル「Vivobook」シリーズ。今回ニューモデルが発表され、市場の注目が集まっている。デザインも一新され、まさにリニューアルとなった新しいVivobookの実力が気になるところだ。今回は、そのうち「Vivobook Pro 16X OLED」の評価機に触れる機会をもらったので、さっそく内容について紹介していこう。
在宅ワークに最適なクリエイター向けPC「Vivobook Pro 16X OLED」
テレワークが多くなり、自宅で仕事をする機会が多くなっている。原稿を書いている2021年11月中旬の東京ではコロナ禍はいったんの収まりを見せているが、周囲を見渡してもテレワーク、特に在宅ワークを続けている企業も多く見受けられる。
インターネットの調べ物やOfficeソフトウェアを使っての資料作りやWeb会議といった業務が中心ならエントリーグレードのPCでも問題もないが、Adobe系やCADなどのデザインツールを使った作業があるデザイナーやクリエイターは在宅ワーク時のPCのパフォーマンスに悩んでいる人が多のもが実情だ。
会社ではワークステーションを与えられているが、自宅にそれと同じ環境を構築することは難しい。しかし、ある程度のハイパフォーマンスが期待できるクリエイター向けノートPCがあったとすればどうだろう。自宅での作業も捗るし、もちろんモバイルも可能。自宅とオフィス間の移動のほか、現場や出張先でもオフィスと同じような作業が続けられるのであれば生産性は大きく向上するはずだ。
そんなクリエイターの欲張りな志向をかたちにしたようなモデルが、今回紹介するASUS「Vivobook Pro 16X OLED」になる。どのようなPCなのか詳しく紹介していこう。
■評価期の主な仕様 | |
Vivobook Pro 16X OLED (型番:N7600PC-L2025W) | |
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OS | Windows 11 |
CPU | インテル Core i7-11370H プロセッサー |
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop GPU |
無線 | インテル Wi-Fi 6 (802.11ax)、Bluetooth 5.1 |
サイズ | 幅 360.5mm x 奥行 259.0mm x 高さ19.5mm |
重量 | 約1.95kg |
価格 | 219,800円 |
イマジネーションを広げてくれる先進的なデザイン
「Vivobook Pro 16X OLED」はASUSがリリースしているノートPCの中でもクリエイター向けにデザインされた製品になる。バランスのよいスペックと、イマジネーションを高めてくれるモダンなデザインが印象的なノートPCだ。評価機はクールシルバーの本体カラーでIntel製CPUを搭載したモデルだが、他に0°ブラックでAMD製CPUを搭載したモデルもある。
今回のモデルでは外観は金属の質感が強調されたインダストリアル感の高いデザイン。薄型で天板にはASUS Vivobookのロゴが浮き上がるようにデザインされたバナー調のアクセントが効いている。
外部ポートは左側面にUSB2.0ポートが2基、右側面にはUSB3.2 Type-AとUSB Type-Cがそれぞれ1基ずつ備わっている。ちなみにUSB Type-CポートはThunderbolt 4対応なので拡張性は抜群だ。また、フルサイズのHDMIポートもあるので、プロジェクターへのアクセスが容易でプレゼンには最適な仕様となっている。
キーボードはアイソレーションタイプで、深くないもののクリック感は高い印象なのでタイピングが多い業種にも向いているといえる。何よりもうれしいのはテンキーがあるところで、オペレーションで数値を打つ機会が多い人にはとてもありがたい存在となってくれるはずだ。
キーボードエリアの右上には電源ボタンがあるが、このボタン自体が指紋センサーとなっており、Windows Helloに対応。生体認証によるスムーズでセキュアなログインを可能にしてくれる。生体認証については一時期顔認証が人気だったが、指紋センサーはマスク着用が常態化している昨今、見直されているデバイスのひとつとなっているので、ありがたいと感じるユーザーも多いだろう。
広めに見えるタッチパッドは「ASUS DialPad」と呼ばれる機能が備わっており、パラメーターを割り振ってホイールのように使えたり、画像や動画編集でブラシのコントロールに使えたりというユニークな仕様となっている。細かいコントロールが必要な作業をする場合に、大いに活用したい機能といえる。
編集・デザインツールに最適なパワフルスペック
気になるスペックだが、プロセッサーにはインテル Core i7-11370Hが採用されており、メモリは16GB(最大32GB)、グラフィックスにはディスクリートのNVIDIA GeForce RTX 3050 ラップトップGPUが搭載されている。この組み合わせにより、編集ツールやデザインツールの操作性は大きく向上しており、レスポンスのよい作業環境が実現されている。
本機には16インチ 4K(3840×2400)ディスプレイが採用されており、その解像度からも分かるように16:10のやや縦に長い仕様となっている。16:9パネルは動画の視聴などのエンターテインメントには向いているが縦に狭い分。ブラウザやアプリケーション画面でどうしても一度に表示できる情報量が少ないという面もあったが、16:10を採用することでより多くの情報が表示できるようになっている。
ちなみにパネルは有機EL超狭額ディスプレイとなっているため、色の表現にはかなりの臨場感がある。低輝度にしても発色が良く、ブルーライトも低減されるため、長時間の作業でも目が疲れにくいのが特徴だ。
また、搭載されている無線ユニットはWi-Fi6対応となっている。自宅でネットワークに接続する際、ほとんどの場合はWi-Fi経由となることが多いと思うので、より高速で快適な環境に役立てられるのはうれしいところだ。
クリエイターの仕事を考えた実用的なモデル
PC MarK10のスコアは6271と、スペックからしても妥当な数値となっている。これだけのパフォーマンスであれば、マルチタスクや多少負荷の高い作業でもストレスなくこなしてくれるはずだ。もちろんレンダリングや3Dデータのプレビューといった特別に負荷の高い作業はデスクトップ型のワークステーションに譲るところもあると思うが、テレワークでできる業務の幅が大きく広がることは間違いないだろう。
最近はコミュニケーションをとる方法としてWeb会議が増えており、その際の使い心地も気になるところだ。本機に搭載されているマイクはAIによるノイズキャンセリングテクノロジーが採用されており、周囲の雑音を除去してくれる機能が備わっている。在宅時によくありがちだが、家人が歩く音やペットの鳴き声、窓の防音にも限界があることから家の周囲の騒音まで含めて、意外と生活音が気になるケースは多い。そんな場合でも機械学習によるノイズ除去をしてくれるので、高品質な会議が可能になるのはとてもありがたい。
スピーカーもハーマン・カードン認定のサウンドシステムとなっており、品質の高い音を届けてくれる。音楽はもちろんだが、人の声も明瞭に伝えてくれるので、こちらもWeb会議には最適といえる。
また、Webカメラには物理的なプライバシーシールドが設けられており、手動でシャッターをかけることができる。万が一、Webカメラの乗っ取りにあった場合でもプライバシーが守られるのはもちろんだが、Web会議の頻度が多くなっているからか、オフになっていてもカメラがずっとこちらを向いているのが気になるという人は多い。そんな場合でも自分自身の手でシャッターがかけられるので、心理的な安心感が得られる機能といえる。
本機をレビューして筆者がとても気に入ったのは静寂性の高さだ。デュアルファンによる冷却システムがとてもよく設計されていることもあるが、「ASUS IceCool Plusテクノロジー」に自動制御のおかげか、ある程度の負荷をかけてもとても静かで、室内での作業がとても快適だった。
012静穏性に優れたデュアルファンを搭載
クリエイター向けに開発されただけあって、様々な点で実用における快適さが目立った「Vivobook Pro 16X OLED」。評価機の仕様の場合、価格は219,800円となっているが、このパフォーマンスであれば十分投資効果は高く、今後の仕事に活躍してくれることを思えば十分お買い得といえる設定だ。
また、Vivobook Proには、サイズをワンランク小さくした14インチ版の「Vivobook Pro 14X OLED」も新シリーズとして発表されている。こちらはより軽量で扱いやすいのが特徴となっているので、モバイル用途のほうに重点を置きたい場合には選択肢に入ると思う。併せてチェックしておくとよいだろう。いずれにしてもクリエイターにはたまらない魅力満載のモデルなので、PCの購入を考えいる人にはぜひ一度触れていただきたい製品だ。