Wi-Fiルーターでインターネット接続設定をするコツ
自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
第13回
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧
前回は、初期設定用のSSIDと暗号化キー(Wi-Fiパスワード)を使い、設定のためにWi-Fi接続をして、設定画面にアクセスしてみた。この初回の設定画面アクセス時には、インターネット回線の接続部分を判別し、自動的に接続したり、必要に応じて接続設定の画面が表示されたりする。今回は、このインターネット回線接続設定について簡単に解説する。最も確実なのは、利用しているプロバイダーの接続設定の情報なので、基本はそちらに従ってもらいたい。ここでは一般的な情報をお教えする。
Wi-Fiルーターに繋げたら、インターネットに繋がっているかチェックする家庭向けのインターネット回線接続の種類は、大きくわけて2種類ある[*1]。DHCPによってIPアドレスを動的に割り当てる方法と、PPPoEという認証接続で認証IDと認証パスワードを入力して接続する方法だ。PPPoEは、NTT東西のフレッツ回線に接続するのに使われている方法だ。
DHCPの場合、特に設定への記入は不要で、自動的にプロバイダーのDHCPサーバーを感知し接続が完了する。PPPoEの場合には、入力画面が表示されるので、プロバイダーから提供されている接続情報用紙に従って認証IDと認証パスワードを入力して接続すればよい。簡単に言えば、フレッツ回線の場合のみ認証情報の設定が必要で、それ以外は自動で接続する。ほかとてもまれなのだが、地方のCATV回線でMacアドレスの登録が必要なことがあるので、注意して欲しい。
Wi-Fiルーターにログインすると、自動的にインターネット接続設定が始まるケースが多い。TP-Linkのスマホアプリ「Tether」を使った初回接続時の回線設定画面PPPoEの接続設定画面例。各社とも似たような画面でユーザー名とパスワードを入力する。バッファローのWi-Fiルーターでの例なお、フレッツ回線のv6プラスなどのIPv6 IPoE接続(IPv6 PPPoE接続は対応機器で設定が必要)やDHCPv6でのIPv6接続は、プロバイダ側ーとIPv6の契約をしていてWi-FiルーターもIPv6に対応していれば、通常の接続(IPv4)が完了した時点で同時に接続される。現時点ではまだIPv6ですべてのアクセスがまかなえるわけではないので、IPv4と同時に使う(デュアルスタック)のが基本だ。ちなみに、よくIPv6にして速度アップさせるという手法が紹介されているが、これは単に現在IPv6回線の利用者が少ないプロバイダーで速度が上がることがあるというだけで、IPv6接続が規格として高速なワケではない。IPv6についてはまた機会を改めて解説しよう。
[*1]……ほかにも、IPアドレスを固定して接続したり、VPN接続(IPsec/L2TP)を使うなどといった接続方法も存在する。これらは主にビジネス向け回線などで使われるが、ここでは除外する。手動で設定すると選択肢として表示されることもあるが、これらは無視して構わない。
また、接続方法問わず、すでにルーターが動いていて回線に接続済みのケースもある。特にフレッツ光回線など、IP電話のひかり電話を契約しているケースはこれにあたる。この場合、ルーターのDHCPサーバーを感知し、自動的にアクセスポイントモードに切り替わるか、もしくは2重でルーターが動作して接続する。この2重ルーターの解決方法は後ほどお教えしよう。どちらにしても、前段でルーターが動作している場合にはネット接続は自動完了する。
回線接続後にやってしまっておきたいのが、最新ファームウェア[*2]へのアップデートだ。セキュリティ対策などでファームウェアがアップデートされていることがある。たいてい最新ファームウェアかどうか、ボタンをクリックしてチェックする機能が提供されている。
[*2]……ファームウェアは機器を動作させるソフトウェア。スマホのOSアップデートと似たような作業だ。例えば最近では、親機側には影響がないが(中継器として利用する場合には影響がある)暗号化プロトコルのWPA2で脆弱性が見つかっている。
「Tether」アプリで設定が終わり、回線接続が完了したところ最新ファームウェアのチェックと更新は簡単にできるので、インターネットに接続後にまず終わらせておく今回の教訓(ポイント)
ネット回線はフレッツ回線のPPPoE以外では自動接続されるPPPoEでは、認証IDと認証パスワードを入力する。ネット接続後はファームウェアのアップデートをチェックしておく。
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村上 俊一
1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。