Google アシスタントは聞き耳を立てていない、グーグルがプライバシーへの取り組みを説明
広告表示の透明性
検索ワードに関連した広告が検索結果に表示されることもあるが、もし適した広告がない場合は全く表示されない。また、広告収益は表示しただけではグーグルに入らず、クリックした段階ではじめて発生するという。
グーグルの主な収益源である広告。収益の大半は、自社のWebサイトやアプリからのものという。こうした収入があるからこそさまざまなサービスを無償で提供できているとフェアー氏。広告表示には必ず「Ad」や「スポンサー」という表示がなされている。
そのほかのサイトでの広告からもグーグルは収益を得られるものの、取り分の大半はパブリッシャーに支払われるという。
フェアー氏は、広告を出すに当たって、利用者の個人情報は決して販売しない、センシティブな情報はパーソナライズに利用されない、そして利用者に代わって利用者のプライバシーを保護するとしている。
一方で、もっとプライバシーを公開していいからより質の高い広告がほしいという声があったとしたらどうだろうか。これに対してフェアー氏は「答えが難しい。『これを気にしている』『これはセンシティブ』という線引きは人によって違う」と説明。
データをオープンにして良い人、いかなる理由でも絶対に嫌という人がいて、その理由もまた千差万別で、自分が一番やりたいというオプションを正しいやり方で設定できるように提供しようとしているとした。
Cookieの代替としてグーグルが推し進めるFloCについては「プライバシー保護はひとつだけでなく、複数ありFloCはそのひとつ。Webにおいてプライバシー保護しつつ役に立つものを届けるという研究の一環」と言及した。
広告収入を主とするグーグルに対して異なるアプローチを取るアップル。両社はともにプライバシー保護強化の取り組みを進めているが、フェアー氏は2社の違いについて次のように説明する。
「我々はアップルと異なり、オープンソースである。Androidそのものがオープンソースであり、そこがまず差異となる」とした上で「プライバシー強化は正しいことだからやっている。ユーザーの信頼を得て活動するには、それに対する責務を果たさなければならない」と語った。
また、アップルはiOS 14.5でアプリのトラッキングを制限する「ATT」を導入して、ユーザーのプライバシーを保護する取り組みを進めているが、同様のグーグルの取組みとして「広告IDのリセットや、ADパーソナライゼーションでさまざまに設定できる。一度設定したものは同じグーグルアカウントを使うすべてのデバイスに適用される」と説明。
さらに「Android版のGoogle Playの設定で広告IDをオフにできるようになると発表している。パーソナライズド広告をどう出てくるかを制限できるようになる」と語った。
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そうしたプライバシー保護を率先しつつも、その匿名化技術を使って提供できたのが、COVID-19 コミュニティモビリティレポートやGboardの予測変換に利用されるフェデレーション ラーニング、自動字幕起こしなどに代表されるAndroid's Private Compute Coreと紹介する。