タブレットモードとデスクトップモードを往来してWindows 10を使う
これらの点を頭において、自分で使いやすいようにスタート画面とデスクトップ、そしてそのタスクバーを構成してみよう。
注意したいのはタスクバーには起動しているアプリをインジケートする機能があるが、スタート画面にはそれがないという点だ。タブレットモードでWindows 10を使っている場合は、アプリが既に起動していようがいまいが、タイルを見つけてそれを開くという操作になってしまう。例えばWordで文書を編集するために既にWordがファイルを開いていたとしても、スタート画面からWordを開くと、新規作成画面になってしまう。既に開いているファイルがあったとしても、その編集画面に戻ることはない。
スタート画面はあくまでもアプリをスタートさせるための画面であり、タスクバーのように、既にスタートしているアプリとそうでないアプリをうまく切り分けてアプリ間を行き来するためのものではないわけだ。
これがややこしいと思うなら、タブレットモードではデフォルトでオフになっているタスクバーのアプリアイコン表示をオンにすればいい。非表示がデフォルトなのは、おそらくアプリの全画面感を高めてコンテンツに没頭できるようにするための計らいだと思われる。表示の有無は設定のシステムータブレットモードで変更できる。
目的のアプリを探してそれをスタートさせるという意味でスタート画面はシェルというよりも単なるプログラムランチャーにすぎない。
今、自分がどのようなプログラムを開いているのか、開いていなければ新しく開くし、開いていればそれをアクティブにする。Windowsでの作業はその繰り返しだ。過去におけるデスクトップのタスクバーはうまくその作業をうまくサポートでてきていたと思うが、今後は少し考えを改めないと、ちょっと混乱してしまうかもしれない。
スリープとそこからの復帰を繰り返しながら使うモバイルノートPCなどでは、あるアプリが開いているのかどうかなんて、操作する側はとっくに忘れて把握していない。このあたりの作法が整理しきれていないのは、履歴としてできるかぎり以前の状態を復帰しようとするモバイルOS上のアプリのような割り切り方が、過去とのしがらみのあるWindowsでは難しいということなのだろう。