まだまだ現役!家庭のFAX 普及率はTVゲーム機より高い その使い道は…令和の“最新FAX事情”
/ファクシミリ)。
FAXは「過去の遺物」と考えている人も増えています。
NHKが選手への応援メッセージを「FAXで」募集していたことに対して、「なぜ2021年に、あえてFAXなのか」とやゆする声が一部で上がりました。
FAXの世帯普及率は「3割」
総務省の令和2年(2020年)の通信動向調査によると、2020年(令和2年)時点で、FAXの世帯普及率は33.6%。3軒に1軒が持っている計算です。この普及率、タブレット端末の普及率(38.7%)、家庭用テレビゲーム機の普及率(29.8%)のちょうど間に位置します。
世帯主の年代別で見ると大きな偏りがあります。同じ調査の平成28年(2016年)版によると、20代のFAX保有率はわずか1.9%なのに対して、30代で15.2%、40代で39.1%、50代で48.0%と、年代が上がるごとに急増しており、60代以降はどの年代でも5割前後でした。
<5年前の調査でこの数字ですから、FAX保有率の”世代別格差”は今、当時以上に開いてそうです。
FAX、何に使っている?
<42歳(昭和53年生まれ)の記者の場合、中学生ごろから実家にFAXがありました。実家が商売をやっており、注文書や納品書などもよく送られてきていていた他、LINEもメールも無かった当時は、FAXを友人との手紙のやりとりにも使っていました。
「前からあったからなんとなく使い続けている」という家庭は多い一方で、「必要に迫られて、最近新たに買った」という家庭もあるようです。
小学校や役所、病院とのやりとりです。役所がFAXを現役で利用していることもあり、特に公立の学校関連や介護施設とやりとりするのに必須、といった声がありました。
、という場合「子供が病欠の連絡をするために、ぐったりした子供を連れてコンビニまでFAXを送りにいくのは現実的ではない」と、やむを得ず買った家庭。家族が通院している病院の予約や、世話になっている介護施設との連絡に必須だったので、買わざるを得なかったという家庭もありました。
「オンラインセミナー参加の受付がFAXのみ」という、冗談のような話もありました。
日本だけじゃない?
米ヒューストンの公衆衛生当局が、新型コロナウイルス関連の報告のFAXを1日1000件も受けており、対応に苦慮しているとのこと。
「数百ページのFAXが、床全体にばらまかれた」こともあるそうです。
NHK「FAXは視聴者の気持ちが表現されやすい」
NHKが選手への応援メッセージを「FAXで受け付けた」理由を、広報部に改めて聞いてみたところ、こんな回答でした。
充実しています。また、ブラザーなど複合機メーカーがFAX機能付きの複合機を主に業務用に出しており、家庭で導入する例もあるようです。
FAXの世帯普及率は低下の一途をたどっており、これからさらに縮小していくと考えられます。「受付がFAXのみ」といったサービスや業界は、今後、さらに減っていくことでしょう。