「Samsung Galaxy Tab S7+」レビュー:Androidタブレットのなかでもピカイチ!
キーボードもよさげ!
Samsung(サムスン)のフラグシップタブレット「Galaxy Tab S7+」は、スタイラスペン付きでディスプレイもうっとりするくらい美しいとか。別売のキーボードを付けるともはやノートパソコンのような外観になりますが、実際に使ってみるとどうなのか…? 米Gizmodoが詳しくレビューしています。
iPad Proと比べて、Androidタブレットを選ぶのがちょっとした残念賞みたいに感じることがあります。というのも、アップルがiPadOS 13、14でラップトップばりの頼もしさをiPadに備えようと変化を起こしている一方で、アンドロイドは足踏み状態を続けているからです。
しかし、サムスンはそれでもエンターテインメントと作業効率性の両方において一流のタブレットを作ることを諦めていません。iPadを選ばない人にとって、Galaxy Tab S7+は最高のAndroidタブレットです。
Samsung Galaxy Tab S7+
これは何?:サムスンのフラグシップ12インチタブレット。
いくら?:850ドル〜(約8万9500円)。ブックカバーキーボードは別途230ドル(約2万4300円)。
好きなところ:ディスプレイの素晴らしいところ。美しく滑らかなデザイン。クアッドスピーカー。超快適なキー。磁気充電内蔵のスタイラスの精度。
好きじゃないところ:Androidの仕事効率性は、まだまだ改善の余地あり。安くはない。ヘッドフォンジャックがない。バッテリーの持ちは状況によってはそこそこ。
ディスプレイの利点・欠点
Tab S7 +は(iPadProと同様に)角が丸く側面がまっすぐなアルミニウム製ボディを採用。ただし、アスペクト比3:2の12.9インチディスプレイを搭載し、仕事と遊びの両方を同じように処理できる大きなiPad Proとは異なり、サムスンの主力製品Tab S7 +はどちらかといえばエンタメ寄りで、わずかに小さい12.4インチ16:10 OLEDスクリーンが特徴です。
このアプローチのよいところは、iPadProよりもTab S7 +の方が少しだけポータブルになること。また、多くのストリーミングサービスが適用するのに近いアスペクト比なので、無駄なスペースも少なくなります。しかしもっとも注目すべきは、画面の美しさ。120Hzの可変リフレッシュレート対応で、鮮やかなOLEDパネルは現在出回っているタブレットのなかで一番と言えるほどきれいです。このディスプレイを見れば、すぐさまTab S7 +が好きになる…。そんな美しさです。ピーク輝度550ニット超で、アウトドアでも活躍してくれそうです。
ただし、サムスンの戦略にも欠点が。それは、Tab S7 +の16:10ディスプレイは縦方向に長く伸びているわけではないため、DeXモードのタスクバーが作業スペースに入り込んで画面が少し窮屈に感じることがあること。もちろん、作業用ではなくエンタメ用として使う分には問題ないのですが、850ドル(約8万9500円)、あるいはブックカバーキーボードを購入すると約1,100ドル(約11万5800円)という金額を払うからには、少しばかり欲を言いたくなったりして…。
パフォーマンスは最高!
さらに、パワフルなクアッドスピーカーを装備しているため没入型のオーディオ体験が得られるのもTab S7 +のハードウェアのよいところです。また顔認証のほか超音波指紋認識は、マスクを着用していても使いやすいことが想定できます。
多くの人がBluetoothヘッドフォンを使用しているとはいえ、イヤフォンジャックもあればよかったなと思います。このサイズのデバイスなので十分なスペースがないとも思えませんしね。
さてTab S7 +のスペックはというと、Qualcomm Snapdragon 865プロセッサ、RAM 8 GB、128 GBのベースストレージ(最大512 GBのオプション付き)、microSDカードスロット装備で最高のパフォーマンスを体験できます。ナイトモードやライブフォーカスビデオなど、サムスンGalaxyスマホと同じ機能を複数備えたデュアルリアカメラ、今年後半には5Gも利用できるようになります。
気になったところ
ひとつ、少しだけ痛手となるのがバッテリー寿命。動画を再生し続けるテストを独自に行なったところ、充電が切れるまで8時間2分持続しました。これはものすごい問題というわけではありませんが、少し短い印象を受けます。どんな作業をするか、あるいは120Hzモードが有効になっているかによってバッテリーの寿命は伸び縮みするようですが、正確にこれと特定することはできません。
その他通常の使用では、このレビューを書いているあいだもメインマシンとして1日中大活躍しています。スタンバイ時も優秀で、一晩で5%未満のバッテリーしか消費しませんでした。
ただ、それよりも大きな問題は作業効率性にあるかもしれません。とはいえこれはサムスンというよりGoogle(グーグル)が改善すべきところが大きいと感じました。iPadOSは過去2年のあいだに包括的なマウスのサポート、手書きの変換、再設計されたサイドバー、全体的に刷新されたUI…と、あらゆる進化を遂げましたが、それと比べAndroidタブレット端末は立ち往生気味でした。サムスンはその間、作業効率の向上に向けてDeXモードの改善に取り組んできましたが、その結果も依然としていわば(優れた)絆創膏を貼っているような状態だといえます。
使い勝手についてもう少し詳しく
でも、どうか誤解しないでください。TabS7+で作業することがかなり苦痛ということはありません。DeXアイコンをタップするだけで、デスクトップ上のアプリアイコン、便利なタスクバー、システムトレイなど親しみあるUIを起動できます。2つのアプリを並べて開くと、メールのチェックからパワポ作成まで簡単にマルチタスクを実行することもできるので、パソコンで作業しているのと同じ感覚が得られます。
サムスンのブックカバーキーボードも非常に快適で、タッチパッドのサイズ感も適度にあり、程よく硬く弾力があります。CTRL+CやCTRL+Vなど多くの標準ショートカットのサポートに加えて、DeXを起動してGoogleアシスタントを呼び出したりアプリドロワーを開いたりするためのボタンもあります。Tab S7 +で作業する際の問題はどれも、それ以外の些細なところからやってきます。
たとえば、キーボードが接続されているときであっても、DeXモードで起動しないとタッチパッドを右クリックすることはできません。これは、Googleドキュメントで入力しているときと同様の状況で、マウスが自動的にIカーソルに変わることはないため、テキストを強調表示したり、タイプミスを修正したりするのが少し面倒になるというのがあります。
デフォルトでモバイルUIを使用するアプリも複数あるため、タブレットのレイアウトやTab S7+の大きなディスプレイを活用することができない場面もあります。このため、Tab S7 +を別のディスプレイに接続して簡単にデュアルスクリーンを叶える機能をサムスンが用意したのはよいのですが、iPad Proほどスムーズにはいかない印象がどうしてもあります。
Galaxy Tab S7 +は市場で最も魅力的でゴージャスなエンターテインメントタブレットで、ディスプレイ、スピーカー、スタイラスペン、デザインには夢中になってしまいます。モバイルビデオやゲームデバイスとして使用するだけにしては高価すぎるかもしれませんが、非常にプレミアムなエクスペリエンスを提供してくれることには間違いありません。
生産性に関しては、作業内容によっては大きなラップトップと変わらない体験を得られる場面もあります。しかし、サムスンの努力にもかかわらずiPadOSと比べたときにどうしてもAndroidに足りない部分が目立ってしまうこともあります。とはいえハードウェアは評価に値すること、そしてTab S7 +は依然として最高のAndroidタブレットであることには変わりません。
メモ
・Galaxy Tab S7 +のスタイラス付属。ブックカバーキーボードは、追加で230ドル。
・Tab S7 +のハードウェアは素晴らしく、特にOLEDディスプレイは市場で出回っているタブレットのなかでもっとも美しいレベル。
・サムスンDeXモードが改善され、Tab S7 +はさらに優れたハイブリッドデバイスに。ただアンドロイドによるタブレットのサポートが十分でないために完璧とは言えない。
・バッテリー持続は、まぁまぁよい(8時間)〜なかなかよい(11時間)という具合。何をするか、あるいは120Hzモードが有効になっているかによる。