ノートパソコンがすべての人にベストな選択ではない
ここ数年に渡って、ほぼすべての人が選ぶパソコンが事実上ノートパソコンとなりました。
実際、2019年に世界中で売れたノートパソコンは1億6600万台で、同時期に売れたデスクトップパソコンはたったの8800万台でした。少なくとも2024年までは、この差は広がり続けるだろうと予測されています。
しかし、だからと言って、すべての人にとってノートパソコンが正しい選択ということではありません。
誤解している人が世界中に1億6600万人いるのかもしれません。今回は、ノートパソコンが必要ない理由、最適ではない可能性のある理由を見ていきましょう。
なぜ人はノートパソコンを買うのか?
ノートパソコン以外の選択肢について見ていく前に、多くの人が最初にノートパソコンを買う理由を理解しましょう。
デスクトップを上回る最大の強みは、重量、サイズ、携帯性(持ち運びのしやすさ)です。最近の通常のノートパソコンは、重さが約2.2kgで、バッグの中に入れて簡単にどこにでも持ち運べます。
では、ノートパソコンは実際どのような用途で使われているのでしょうか? 大半が、次のいくつかの大まかなカテゴリーに入ります。音楽制作、動画編集、文字入力、ゲーム、受動的娯楽(テレビ・動画視聴など)などです。
しかし、ノートパソコンはどのカテゴリーに対してもベストな選択ではありません。
1. 携帯性:タブレット
2010年当時に、スティーブ・ジョブズはポスト・パソコンの時代が来ると明言していました。
ジョブズが語った、ポスト・パソコン革命の大部分を成しているのがタブレットです。
平均的に、タブレットはノートパソコンより安価で、軽量で、より持ち運びがしやすく、移動中に使うように設計されています。
(ノートパソコンのように電源を入れたり、作業するテーブルを探したりする必要がありません)
また、ノートパソコンのユーザーが移動中にやる必要のある大半の機能は、タブレットでも実行できます。
さらに、タブレットの方がバッテリー寿命が長く、アプリもパソコンよりは大抵安価で、タッチ入力、モーションセンサー、GPSデータ、カメラ内蔵などの機能も備えています。
2. 生産性:デスクトップ
移動中も生産的な作業をしなければならない場合は、タブレットに装着できるキーボードを買って、Google Play StoreやApple App Storeで入手できるオフィス系のアプリを使って作業をすることもできます。
しかし、長時間の作業になることがわかっている場合は、自宅でも職場でも作業をする可能性が高いので、その場合はデスクトップパソコンを使った方がいいでしょう。
デスクトップパソコンは、ノートパソコンよりも大きな強みがいくつかあります。
また、デスクトップパソコンは換気がよく過熱しにくかったり、新しい部品を追加するのが容易なのでアップグレードしやすかったり、専用のグラフィックカードがあるという利点もあります。
ゲーマーには完璧です。
3. 娯楽:デジタルメディアプレーヤー
ストリーミングの映画、テレビ番組、音楽などに関しては、ノートパソコンよりもデジタルメディアプレーヤーの方がはるかに良いです。
様々なデジタルメディアプレーヤーがありますが、アメリカでは「Roku」が一番人気です(日本だったらAmazon Fire TV StickかChromecast、Apple TVでしょうか)。
もちろん、ノートパソコンからでもNetflixやHulu、YouTubeにはアクセスできますが、そうなると、
(1)小さな画面で動画を見る
もしくは
(2)テレビ台の変な位置にノートパソコンを置いて、ぐちゃぐちゃのHDMIケーブルでつなぐ
という面倒なことをすることになります。
デスクトップパソコンでRokuを使うといい理由はいくつかあります。
もっと詳しく知りたい人は、Roku UltraとApple TVとChromecast 4Kを比較した記事(英文)もチェックしてみてください。
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4. データ:ネットワーク・ストレージサービス
コンピューター機器を1つしか持っていない人はほとんどいませんし、一家に1つというのはさらに少ないです。
そう考えると、個人のデータすべてを1つのデバイスに入れるというのは時代遅れの考え方。
バックアップは必要以上に複雑になり、様々なコレクションが分断され、ファイル管理は悪夢のよう。つまり、欲しいものがある時に、きちんと欲しいものにアクセスできない現象が起こります。
NAS(ネットワーク接続ハードディスク)は、どんなデバイスからでもそこに保存されているファイルにアクセスできるので、個人のデータすべてを1箇所に集めたハブ(HUB)を作成できます。
また、プリンター、スキャナー、カメラとも共有できるだけでなく、多くのNASデバイスはRAID(複数のハードデイスクを接続して1台のストレージにしたもの)を利用して自動的にバックアップを作成します。(詳しく知りたい人は、Windowsのバックアップガイド(英文)をチェックしてください)
とりわけ、デジタルやテクノロジーに精通した人であれば、NASをリモートFTPアクセス用に設定できます。
つまり、自分のすべてのファイルやデータに、世界中どこからでも(前述のタブレットからでも)アクセスできるということです。
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ノートパソコンが必要な3つの理由
上記のように、ほとんどの人にとって、生活からノートパソコンを完全になくすのは簡単です。必要なのは、自ら思い切ってやることだけ。
それでも、ノートパソコンにはまだいくつかメリットがあります(特にタブレットよりも)。そのメリットは以下の通りです。
1. 周辺機器
移動しなければならないことが多い仕事をしている場合(ジャーナリストやプロの写真家など)、パソコンに周辺機器を付けなければならないことも頻繁にあるでしょう。
プリンターに接続したり、SDカードを挿入したり、HDMIケーブルを使ったり、USBメモリにデータを保存したりするということです。
ほとんどのタブレットではそのようなことができません。
2. 容量
タブレットには、一般的にノートパソコンと同じ程度の容量がありません。
ほとんどのノートパソコンの容量は最低でも250GB以上ですが、上位機種のほとんどのタブレットでも容量は最大で128GB程度です。
3. ディスク・ドライブ
CDやDVDは徐々になくなりつつありますが、完全になくなったわけではありません。
会社勤めの人は、ソフトウェアをインストールしたり、業者のプレゼン資料を読み込んだり、カンファレンスやイベントの動画を撮影するなど、日常的にCDを使うことがあるでしょう。
個人でも、長距離移動の最中にDVDで映画を見たり、車の中で聴くために音楽をCDに焼くなど、使えると便利なことがあります。
本当にノートパソコンが必要か?
今回は、ノートパソコンは他のデバイスやサービスに簡単に置き換えられるということを、垣間見せただけに過ぎません。
スティーブ・ジョブズが言っていたように、ポスト・パソコンの時代に移りつつあるというのも事実でしょう。Facebookをチェックしたり、YouTubeを見たりするだけの人にとっては、ノートパソコン以外の選択肢の方がいいと思います。
タブレットではスペックや性能が足りないという人でも、ノートパソコンがベストな選択ではない可能性もあります。
最近では、デスクトップパソコンとタブレットを両方買うのと、ノートパソコンだけを買うのは、価格的にそこまで変わりません。
自分にはどんなデスクトップパソコンが合うのかを知りたい人は、こちらの記事(英文)もチェックしてみてください。
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Original Article: 4 Reasons Why You Don't Need a Laptop Anymore by MakeUseOf