ゲーム開発で求められるPCのスペックとは? サイバーエージェントのCGアーティスト3名がマウスコンピューターDAIVを検証!
[PR]スマホやゲーム専用機、さらにはPCなど、さまざまなプラットフォームで多彩なゲームが展開されている昨今。ゲーム開発を志望している人も多いと思うが、「どんなPCが必要となるのか」という点は悩ましい問題だ。そこで今回は、カジュアルに楽しめるライトな作品からビジュアルにもこだわったハイエンドな作品まで、幅広いゲームを展開するサイバーエージェントのCGアーティスト3人が、マウスコンピューターのクリエイター向けデスクトップPC「DAIV Z7」を検証。それぞれがメインで利用するPCと比較してもらい、その性能や使い勝手、その他の魅力などを探ってもらった。
記事の目次ゲーム開発において重視するPCスペックは?
多彩なゲームの開発・運営を担うとともに、若き3Dデザイナーの発掘を目的とするコンテスト「CG Grand Prix "3D Cross" powered by CyberAgent」(以下、3D Cross)なども開催するサイバーエージェント。アプリ開発を担う子会社は13を数え、そのうちの3社は3Dのタイトルをメインに手掛けている。今回はその中から、アプリポッドの邑上貴洋氏と大田裕介氏、グリフォンの名古屋篤志氏の3名にご協力いただき、検証を実施した。邑上氏はエフェクトを専門としており、アプリボットでは新規プロジェクトのエフェクト責任者を担当。普段はUnityの標準パーティクルツールである「Shuriken」を使用してエフェクトを作成しているほか、After Effectsを使った映像編集なども行っているそうだ。映像を活用したケースとしては、例えばゲームの戦闘シーンで必殺技のエフェクトを追加する際に、初めはリアルタイムにエフェクトを合成し、途中から「短い映像を"違和感なく"組み合わせる」という技法があるとのこと。これにより、「よりリッチな演出」が可能になるとともに、短い時間であれば「容量的にもオーバーしない」のだという。
邑上 貴洋 氏
アプリボットシニアエフェクトアーティスト
大田氏はエンバイロメントが専門で、「NieR Re[in]carnation」の背景リーダーに加えてアプロボットの背景チームのリーダーも兼任する。普段はMayaやSubstance Painterを使用し、「かなりフォトリアルなビジュアルベースのコンテンツを作成している」という。また、大田氏自身は使用していないものの、社内では「ZBrushや出力用としてUnityでも作業している」そうだ。
大田 裕介 氏
アプリボット3Dエンバイロメントアーティスト
3Dアニメーターである名古屋氏は、3Dキャラクターのモーションデザインやカメラワークなどの演出を担当。こちらも、メイン作業ではMayaを使っており、カメラワークなどにはMayaやUnityを利用している。なお、3名はともに、各部門で3D Crossの審査員を務めるほどのスペシャリストである。それぞれが普段使用するPCの選定基準について、邑上氏が作業効率を踏まえたうえでまず挙げたのは「GPU」。実際、邑上氏が現在利用しているPCは、ベースとなった本体と同額のグラフィックスボード(約15万円)を、後から別途追加しているほどだ。さらに、After Effectsでのキャッシュ用として「容量は少なくても構わないので、高速なSSDがあると嬉しい」と付け加えた。
名古屋 篤志 氏
グリフォンチーフ3Dアニメーター
大田氏は、普段の作業で「ライトマップのベイクやレンダリングは負荷が高い」と感じていることから、その点を考慮して「CPUとGPUの優先度が高い」とのこと。さらに、レンダリングやプレビューの速度は「速ければ速いほど良い」と補足する。一方で、エンバイロメントアーティストとして「細部までしっかり確認することを意識している」ため、「4K対応ディスプレイ」の重要性についても触れた。大容量の映像データを取り扱う名古屋氏も、重要と考えるのはやはり描画スピードに大きく影響する「GPU」だが、それに加えて「メモリもそれなりに欲しい」と回答。さらに、緻密に描かれているキャラクターなどのファイルは「開くまでに結構な時間がかかる」ことから、ファイルの読み込みやソフトの起動などを高速化できる「SSD」も「搭載されているのが理想的」とした。これらのポイントを押さえつつ、今回は邑上氏、大田氏、名古屋氏の3名が、3Dゲーム開発の実作業を踏まえたテストを実施。それぞれが普段利用しているPCと比較しながら、DAIV Z7のパフォーマンスやスペック以外の気になる点などをチェックしてもらった。
検証機「DAIV 7」と普段のアーティスト達の機材構成比較
今回はマウスコンピューターの「DAIV Z7」を使用し、邑上氏、大田氏、名古屋氏がそれぞれで異なる検証を実施。それを踏まえ、普段の作業で利用しているPCと比較してもらった。DAIV Z7は、インテルのデスクトップ向けCPU「インテル Core i7-11700 プロセッサー」とミドルクラスGPU「GeForce RTX 3060」を搭載。インテル Core i7-11700 プロセッサーは2021年に登場した第11世代の上位モデルで、スペックは8コア16スレッド、基本クロックは2.50GHz、ターボ・ブースト利用時の最大クロックは4.90GHzという高い性能を持つ。また、メモリは32GB、ストレージはNVMe接続512GB SSDに加えて2TBのHDDを備えるデュアル構成となる。一方で、邑上氏と名古屋氏のPCは、2~3年ほど前に導入したデスクトップPC。全体的に高いスペックを兼ね備えているが、当時から「GPUを重視する傾向にあった」(邑上氏)ことから、より高性能なGPUが搭載されている傾向にある。また、大田氏のPCはやや特殊で、コロナ禍によるリモートワークの関係から、現在は2020年に導入した17インチのノートPCを使用中。購入時の価格が40万円強とあって、ノートPCながらもかなり高い性能を備えている。
邑上氏の現行機
大田氏の現行機
名古屋氏の現行機
検証1:After Effects、Maya、Unityを用いた検証
邑上氏は、パーティクル数が約1万のデータを使用し、UnityとAfter Effects で実作業を想定した操作を実施。Unityではもたつくような感覚もなく普通に作業できたそうで、「トラップコードを使った処理も問題なく、キャッシュのプレビューまでも速かった」そうだ。さらに、After Effectsもパーティクルの生成やレンダリングのプレビュー画面では体感的に速く、「想像以上に作業しやすい」と好感触だった。大田氏は、3D Crossで使用されたドラゴンのモデリング(特別審査員を務めた3Dコンセプトアーティストの岡田恵太氏が制作)を使い、ZBrushで検証。データをスカルプトで表示させてさまざまな調整を加えてみたところ、とても機敏に動作し、カメラの角度を変えた際も「反応が早く、自分が使っているモノよりも速いと感じた」そうだ。ZBrushはCPUの性能が大きく影響するので、「CPUの性能が使い勝手に表れた」と分析する。名古屋氏も3D Crossのドラゴンのモデリングを利用し、こちらはMayaでパフォーマンスを検証。サイズの大きいテクスチャに張り直す作業をしても「とくに気になるような大きな引っかかりは無かった」ほか、カメラの回転もスムーズで処理落ちもなかったという。さらに、モデルにスムースをかけて負荷を高めた状態(4倍程度高くなるとのこと)でもテストしたところ、「警告こそ出るが、意外と動いてくれた」と、その実力に感心していた。
検証2:パフォーマンス以外の評価
性能面以外で3人がともに注目したのは、筐体の優れたデザイン性。邑上氏はダイヤル式の電源のデザイン、大田氏は冷却性能を意識した底面のスペースなどを気に入っていたほか、名古屋氏も「本当に欲しいと思えるほど、見た目の印象が良かった」と、その魅力を語ってくれた。また大田氏は、標準で利用できる「24時間×365日電話サポート」などの保証にも着目。例えば学生であれば、深夜の3時などに作業していてPCがクラッシュしてしまったら、「青ざめながら1人で途方に暮れてしまう」という可能性もあり得るだろう。そんなとき、こういった手厚いサポート体制があれば「きっと心強い味方になってくれる」と付け加えた。
若者が感性をダイレクトに表現できる時代に 「DAIV Z7」はその良きパートナーとなる
今回の検証で邑上氏、大田氏、名古屋氏の3名は、DAIV Z7の優れた実力をしっかりと体感。20万円台という価格も踏まえたうえで「クリエイター向けとしては、まさに"ど真ん中"のデスクトップPC」(大田氏)と高く評価するとともに、「現場でも十分に通用するレベル」(邑上氏)と太鼓判を押した。さらに、そのコストパフォーマンスの高さから、DAIV Z7は学生や初心者が3D CGに挑戦する際の「"良きパートナー"になり得る」と提案。ひと昔であれば、ハードウェアの性能や価格がチャレンジの障壁になるケースも少なくなかっただけに、CGアーティストを志す人が「その感性をそのままダイレクトに表現できる良い時代になった」と邑上氏は語り、より多くの若者がCGへ世界へ挑戦していくことを期待した。
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TEXT_近藤寿成(スプール)PHOTO_弘田 充