あのアマゾンが「ヘアサロン」を開業したワケ、美容業界がこれから直面する脅威 |ビジネス+IT
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あのアマゾンが「ヘアサロン」を開業したワケ、美容業界がこれから直面する脅威
アマゾンがヘアサロンを開業し、ニュース/テックメディアでは大きく取り上げられている。読者のみなさんもこの報道を目にして、「あのEコマースのアマゾンがなぜ?」と驚いた人は多いのではないだろうか。しかしその背景には、アマゾンにとって「必然」とも言うべき理由がある。今回の挑戦からアマゾンが今後、どのような領域を開拓していこうとしているのかも見通していこう。
執筆:Livit 細谷 元
執筆:Livit 細谷 元
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。http://livit.media/
<目次>2021年4月20日、アマゾンがロンドンでヘアサロンを開業し、ニュース/テックメディアの関心を呼んでいる。 ヘアサロンの場所は、イースト・ロンドン・リバプール駅近くのブラッシュフィールド通り。アパレルや雑貨店が軒を連ねる小さな通りで、アマゾン英国ヘッドオフィスの目と鼻の先でもある。 アマゾンのリリースによると、このサロンは顧客にテクノロジーを体験してもらうことを目的にデザインされているという。 目玉の1つがAR(各超現実)を活用したヘアカラーをシミュレートするテクノロジーだ。どのヘアカラーを使えば、どのような仕上がりになるのか、ARで確認することができる。 もう1つは「point and learn」と呼ばれる技術。ディスプレイ棚に映った商品を指差すと、そのディスプレイに商品の紹介ビデオが再生され、購入したい場合は、棚にあるQRコードをスキャンし、アマゾンUKのページで購入する。 このヘアサロンはまずアマゾン社員のみが利用でき、数週間後に一般客にも開放されるとのこと。現時点では、同サロンはテクノロジーのショーケースが目的であり、サロン自体を増やす計画はないとしている。 関連記事▲ 閉じる▼ すべて表示
「Eコマース」会社としてのイメージが定着しているアマゾンがヘアサロンをローンチしたというニュースは、意外な出来事として多くの人々に受け止められているかもしれない。 しかし、この数年のアマゾンの動きを鑑みると、その流れに沿った取り組みであることが分かる。Eコマース市場を制したといっても過言ではないアマゾンが次に狙っているのが、リテールや美容を含めた実店舗分野だからだ。 アマゾン・サロンのローンチリリースのまさに翌日に発表された別のリリースからもそのことが確認できる。 このリリースで発表されたのは、アマゾンが2017年に買収した食料品小売店ホールフーズの特定店舗で、同社が開発した非接触の店舗支払いシステム「Amazon One(アマゾン・ワン)」を導入するというものだ。 アマゾン・ワンは2020年9月にローンチされた手のひらをかざすだけで、支払いを済ませられるシステム。これまでアマゾン・ゴー、アマゾン・ゴー・グローサリー、アマゾン・ブックス、アマゾン4スター、アマゾン・ポップアップなど同社がシアトルで運営する複数の店舗で実験的に運用されてきた。 最新のリリースでは、シアトル・マディソン・ブロードウェイのホールフーズ店舗でアマゾン・ワンが利用可能になったこととシアトルのホールフーズ他7店舗に導入計画があることが明らかにされた。【次ページ】「急激拡大」といわれるEコマース、実はリテール市場全体の15%以下一覧へ
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