車がスマホのようになる?コネクティッドカーの特徴や各メーカーのサービスも解説
写真:LIMO [リーモ]
車がスマホのようになっていっているのをご存じでしょうか。購入後に車がネットワークに繋がり、ソフトウェアのアップデート、地図データのアップデートなどを行うことができるようになりつつあります。今回はこの繋がる車「コネクティッドカー」について紹介します。【図表】コネクティッドカーの世界市場推移
コネクティッドカーとは
そもそもコネクティッドカーの定義は何なのでしょうか。2015年に総務省が発行した情報通信白書によると「ICT端末としての機能を有する自動車」となっています。ICT端末とは例えばパソコン、スマートフォン、タブレット、ネットワークに接続できるゲーム機などを想像してください。つまり、コネクティッドカーとは通信できる機能を持った車ということになります。車には多くのセンサーが搭載されており、それらのセンサーから車両情報や道路状況などを取得し、ネットワークを介して収集して分析することで、新しい車の価値を生み出すことが期待されています。アプリケーションの入っていないスマートフォンは高価な電話機に過ぎませんが、地図、決済、文書編集、乗換案内などのアプリケーションをインストールすることでスマートフォンの持ち主にとって新たな価値が生まれます。コネクティッドカーはそれを目指していると理解してください。2014年のコネクティッドカーの世界市場は、2025年は新車のコネクティッドカーと既存車のコネクティッドカーを合わせて、2013年比6倍弱の6500万台を超えると予測されています。一般的には、コネクティッドカーには専用の通信機器が搭載されており、車からデータを集めてクラウドに収集するということで実現されています。
コネクティッドカーの新たな価値とは?
コネクティッドカーによって生まれる車の価値とは例えばどのようなものでしょうか。いくつか紹介します。緊急時の通報交通事故発生時・ドライバーが体調を崩した時・運転中にあおられた時などに、警察や消防に通報する機能(もしくはオペレーターを介して通報してもらう機能)です。エアバッグなど車の機能と連動や、ドライバーがボタンを押すことで通報します。この機能の利点は、車の持ち主の情報、車両の情報、トラブル発生時の位置情報などを同時に伝えることができる点でしょう。これにより警察や消防が事前に事故状況を予測できるでしょう。車の盗難防止車の盗難時などに対処するための機能です。位置情報、車の状態変化(エンジンがかかったなど)をもとに盗難を検知・通知・追跡・警備員の派遣要請などを行ってくれたり、鍵の閉め忘れなどを警告してくれたりします。車の持ち主の要請によって、車のエンジン再始動を止めてもらうことが可能なサービスもあります。ドライバーの見守り運転の状況などに応じてドライバーに問題が発生していないか声かけなどを行い、事故を未然に防ぐ機能です。例えば高速道路を運転中にふらついている場合などに、それを検知して音声で声かけを行ったりします。ドライブに必要な最新情報の提供最新の地図情報をダウンロードして最適なルート提案、目的地などの最新の住所・電話番号・天気・ニュースなどの情報提供などを行う機能です。ドライバーのサポート役といったイメージです。車のリモート操作ドアのロック忘れの際にリモートからロック、乗車前にエアコンのスタートなど、車にアクセスして遠隔操作する機能です。ロックしたか自信のない時にスマートフォンで状況を確認し、閉め忘れている場合にロックをかけたり、ドライバーが乗車する前にエアコンをかけておいたりする機能です。安全運転の診断運転時間や距離・燃費・急発進・急ブレーキなどの状況から安全運転の度合いを判定してドライバーに提供する機能です。このような診断機能は安全運転の啓蒙だけでなく、「運転挙動反映型テレマティクス保険」と呼ばれる安全運転の度合いに応じて保険料が割り引かれる保険などに利用されています。
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