ノキア Lumia 1520レビュー:最新Windows Phone アプリ・ソフトウェア編
ハードウェア編では、Lumia 1520のハードウェアを中心にご紹介しました。今回のソフトウェア編では、ファクトリープリセットのアプリに加え、最近のWindows Phoneアプリの動向などにも触れたいと思います。
OSはWindows Phone 8.0 Lumia Black
Windows Phoneの初期設定は、今回のように他のWindows Phoneからの機種変の場合は、MSアカウントでクラウド側に保存しているバックアップから、OS環境や純正アプリの設定、SMSの記録など、多くの項目を自動的に引き継ぎます。ただ使用していたアプリは自動的にダウンロードされますが、Windows 8.1と違いホーム画面のレイアウトまでは再現しません。この点だけが残念です。また、他社製アプリの設定項目は引き継がれません。初期設定時、新しいMSアカウントを使うか、MSアカウント非設定の場合は、ファクトリープリセットの状態になります。以降続く2つの画面キャプチャは、このファクトリープリセットでの画面です。
ファクトリープリセットのホーム画面 / エキストラ+情報左上から、電話、メッセージング、メール、Internet Explorer、ストア、カレンダー、Office、Nokia Pro Cam、Nokia Screen Beamer、Nokia Cinemagraph、Nokia Creative Studio、設定、Nokia Storyteller、Zinio、トップアプリ、フォト、ゲーム、アラーム、HERE Maps、Data Sense、HERE Drive+、HERE Transitアプリが1画面分+5つ配置されています。カメラ系とHERE系の割合が高いのが特徴的でしょうか。フルHDのLumia 1520なのでこれで収まっていますが、Lumia 920などでは、2画面以上のレイアウトとなります。エキストラ+情報は、ソフトウェアリリースが「Lumia Black」となっています。ハードウェア編で触れましたが、Windows Phone 8.0としてはこれが最終マイナーアップデートとなり、次はコードネームBlueと呼ばれるWindows Phone 8.1がここ数カ月内(?)にリリースされる予定です。
ファクトリープリセットのアプリ一覧 / 初期設定直後にSMSが届くアラーム、ウォレット、カメラ、カレンダー、ゲーム、ストア、トップアプリ、フォト、ヘルプ+使い方、ミュージック+ビデオ、メッセージング、設定、電卓、電話、Bingスポーツ、Bingニュース、Bingファイナンス、Bing天気、Data Sense、HERE Drive+、HERE Maps、HERE Transit、Internet Explorer、Nokia Care、Nokia Cinemagraph、Nokia Creative Studio、Nokia Glam Me、Nokia Pro Cam、Nokia Screen Beamer、Nokia StoryTeller、Office、on.cc東方互動、OneNote、People、PhotoBeamer、Transfer my Data、Zinioプリインストール済のアプリはご覧の通りです。OS標準が18、Bingアプリが4、Nokiaアプリが13、その他が2の計37となります。初期設定直後に同社からSMSが届く(ように見える)粋な計らい付きです。
Data Sense / Nokia Care / Nokia Screen Beamer / Nokia StoryTellerアプリ名でおおよその機能が分かるかとは思いますが、分かり難い部分を解説すると、Data Senseは、3Gや4Gによるモバイルデータ通信量を管理する機能で、リミットの転送量(MBかGB単位)/期間を設定し、状態をグラフで表示、またバックグランドの通信を制限することもできます。Nokia Careは、画面キャプチャの通り、ユーザーガイド、ヒント、FAQ、関連ビデオ、Lumiaの詳細を表示・検索可能です。ただこのメニューは日本語化されていますが、実際のコンテンツは英語(言語+地域設定による)になります。Nokia Screen Beamerは、Lumiaの画面をPCなどWebブラウザを搭載しているデバイスに転送する機能です。方法は、QRコードまたはメール/SMS、ソーシャルメディアを使ってノキア側サーバーのURLを転送先のデバイスを送り、URLを開くと、Lumiaの画面がリアルタイムで表示されます。リアルタイムと言っても仕掛け上、パラパラマンガのような描画になります(更新は一定間隔か本体をシェイク)。Micro HDMIなどの出力用の端子を備えないため、外部モニタに直接接続して画面を表示することはできませんが、かわりにBeamerを使えばPowerPointによるプレゼンなどはできそうな雰囲気です。Nokia StoryTellerは、写真などを時間軸と位置情報を元にタイムライン/場所などうまく整理してビジュアル化するアプリ。友人とシェアもできます。ただしHERE Mapsを使いますので、相変わらず真っ白の日本国内では少々厳しい状態です。
アプリフォルダー / アプリの終了 / ドライビングモード / 画面の向きハードウェア編では「Lumia Black Updateで、フルHDとSnapdragon 800に対応」と書きましたが、そのほか細かい部分も機能強化しています。アプリ系では、アプリフォルダーが追加され、ホーム画面上で複数のアプリをフォルダで管理可能になりました。iOSやAndroidはかなり前から対応していますので、やっと追い付いた形となります。Nokia Pro CameraとNokia Smart Cameraを一本化し、Nokia Cameraとなり便利になりました。Glance Backgroundは、Glance Screenと呼ばれるスリープ時の画面をカスタマイズできます。通常スリープ時はブラックアウトした画面となっていますが、ここへ時計、待ち受け画面に設定しているNotificationsの表示、そしてナイトモード(夜のある時間から朝のある時間まで設定可能)で表示色の変更ができます。またこの状態で電源ボタンを押さずに、画面をダブルタップすると、待ち受け画面へ復帰することも可能です。システム系では、タスク切り替え画面のアプリ画面右上に×マークが付き、これをタップするとアプリを終了できます。ドライビングモードは、文字通り車などを運転中に、SMSと電話の着信以外のLumiaの機能を限定します(SMSと電話着信もオフに設定できます)。また自動返信の設定も可能です。ヘッドセットなどBluetoothデバイスに接続すると、自動的にドライビングモードをONにすることもできます。Lumia 1520と1020では、DNG形式のRAWファイル撮影が可能となり、Photoshopなどで、明るさやホワイトバランスなどを後から調整可能になりました。この辺りは次回のカメラ編で詳しく書きたいと思います。また、今更ながら画面の回転ロックに対応しました。今まで動画を見る以外では横位置にしなかったのであまり必要性は感じなかった機能です。そしてBluetooth 4.0+LEがイネーブルになりました。残念ながらまだ対応していない機能としては、iOSやAndroidのようなNotification Center、VPN、BluetoothのHID Profileなどがあります。これらに関しては、Windows Phone 8.1での対応予定です。
Windows Phoneの動向
MicrosoftがWindowsストアアプリで提供している、Bing スポーツ、 Bing ニュース、Bing ファイナンス、Bing 天気、Bing ヘルスケア&フィットネス、Bing フード&レシピ、Bing トラベルが(いつの間にか)リリースされました。UIをご覧頂くと分かると思いますが、Windowsストアアプリ版をそのままWindows Phoneへ移植した雰囲気です。
Bing スポーツ / Bing ニュース / Bing ファイナンス / Bing 天気ここ数ヶ月のトピックスとしては、LINEが無料通話に対応(但しタイムラインは未対応)、Facebook MessengerとInstagram BETAがリリースされました。どれも必須アプリなので嬉しい限りです。純正のFacebookアプリはリリース当時と同様に、正式版とβ版が混在し、前者が安定版、後者が新機能やパフォーマンスアップなどテスト版の位置付けとなっています。面白いところでは、Facebookアプリ、JDB Facebookのbooklet modeでしょうか。このモードは、現在iOS版でUSのみリリースされているPaperの互換モードです。もちろん日本語も使えますので、一足早くそのUIを楽しむことができます。RSSリーダーのFeedlyに純正はありませんが、互換のNextgen ReaderやPhonly、Fluxで十分事足ります。現在未対応で欲しいのはFlipboardでしょうか。Instagram BETAと同時期にリリースされる予定でしたが何故か未だにストアに掲載されません。Windowsストアアプリ版があるので、作るのは難しくないハズなのですが......。
LINE無料通話 / Facebook Messenger / Instagram BETA / JDB Facebookのbooklet modeこのように、約9か月前にLumia 920の記事を掲載した時よりメジャー処のアプリが増え、より便利になりました。アプリの数も去年12月の段階で20万本を越え、量的にはまだまだですが、Android、iOSに次ぐモバイルOSになりました。次回はカメラ編の予定です。Lumiaシリーズは、カメラそしてカメラアプリが最大の特徴そして大きな魅力の一つになっています。