未来の飯山市を『Minecraft®』でつくろう! 飯山市×マウスコンピューターのプログラミングイベントに潜入
2020年から本格的にスタートしたGIGAスクール構想。「全国の児童生徒たちに向けて、1人1台の端末と高速インターネット環境を整備し、ICT教育を推進していく」という新たな教育施策です。コロナ禍でオンライン授業が増えたこともあり、急ピッチで進められています。
そうした中、ICT教育に対して先進的に取り組んでいるのが長野県飯山市です。飯山市は市内小中学校より各校1名委員を選出し2016年にICT活用研究委員会を発足させ、市内の小中学校におけるICT教育を推進。大型ディスプレイの配置や高速インターネット環境の整備、生徒に1人1台タブレット端末を配布するなどを、全国に先駆けて実現してきました。
8月8日には、そんな飯山市とマウスコンピューターによるプログラミングイベントが実施されました。本記事ではそのイベントの模様をレポートします。
ゲームを通して楽しみながらプログラミング
『Minecraft®×プログラミングでまちづくり! みんなで未来の飯山市をつくってみよう!』と題された本イベントは、午前の部と午後の部の2回にわたって開催。飯山市に住む小学生とその保護者の合計19組が参加しました。
講師を務めたのは、関西を中心に全国展開を行うキッズプログラミングスクール『8×9(ハック)』の柴原洋紀先生。現役エンジニアとして働きながらプログラミング教育も行うなど、マルチに活躍する方です。
今回の目的は、参加した子どもたちに「プログラミングとは何か」を伝え、ゲームを通してプログラミングでものづくりをする楽しさを知ってもらうこと。教材には、世界的に人気のサンドボックスゲーム『Minecraft®』が選ばれました。なお、今回は『8×9』が独自に開発したプログラミング学習用Mod(※)『8×9craft(ハッククラフト)』を使用します。※:ゲームをより楽しむための改造や要素の追加を行うユーザー製のデータやファイル
参加者には、マウスコンピューターのタブレットPC『MousePro-P101A』を貸し出すことに。また、柴原先生にはゲーミングPCブランド『G-Tune』より『G-Tune H5』を使っていただきました。
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柴原先生は、プログラミングについて次のように説明しました。「運動会にも『プログラム』がありますよね。開会式や準備運動、競技など、行うことが順番に書かれてあります。コンピューターのプログラムも、実は同じことなのです」
その後は、実際に手を動かしながらプログラミングを体験していきます。
使用するのは、『8×9craft(ハッククラフト)』のオリジナルキャラクター・はっくんに命令を与えて動かすプログラム。「前へ進む」や「後ろへ下がる」「左を向く」「右を向く」といった命令用のブロックを組み合わせることで、「どのように命令すると、キャラクターがどう動くのか」を体験します。
さらに、柴原先生は「分岐」や「反復」といった考え方もレクチャー。やや高度な内容ですが、子どもたちはすぐに慣れた様子です。プログラムを自在に組み、キャラクターを思いのままに動かしていました。
プログラミングの基本を学んだところで、いよいよ本題へ。『Minecraft®』で用意された飯山市のワールドに、「未来の飯山市に必要だと思うものをつくっていく」という試みです。
つくるものは何でもかまいませんが、柴原先生からは「『SDGs』の視点で考えよう」というお題が与えられました。『SDGs』とは2015年に国連で採択された、17項目の国際的目標。つまり、環境問題や社会問題の視点から飯山市の未来を考え、必要なものを『Minecraft®』でつくるというわけです。
この課題を受けて、参加者は親子で相談しつつ、柴原先生やスタッフのサポートも受けながら、思い思いの施設を作り上げていきました。
イベントの最後には、参加者がつくり上げた施設とその建築理由について発表。たとえば風車による水力発電施設をつくった親子は、「環境問題を考えて、クリーンなエネルギーをつくるべきだと考えた」とコメントしました。
この他にも、「少子化問題を解決するための産婦人科医院」や、「川の氾濫を防ぐための地下貯水池」、「観光業を盛り上げるための町の名物になりそうなオブジェ」など、予想以上に考え抜かれた施設が次々と発表され、その度に会場からは大きな拍手が起こっていました。
飯山市が考える、ICT教育の推進とは
大盛り上がりで幕を閉じた本イベント。そもそも、なぜ飯山市はこれほどICT教育に注力し、どのようにして成果を上げているのでしょうか。飯山市の松木英文氏と岩崎敏氏にお聞きしました。
松木氏によると、飯山市は2016年頃よりICT教育に力を入れてきたといいます。とはいえ、いきなりすべての学校で足並みをそろえて始められるわけではありません。そこでまず、同市内にある木島小学校をICT教育におけるモデル校として認定。飯山市に工場を持つマウスコンピューターと提携し、タブレット端末50台を導入して学校現場での活用をスタートしました。
松木氏「教職員の中に、ICT教育へ積極的に取り組みたいという先生がいたのです。そこで、その先生に研修を受けてもらい、その後、木島小学校にICT教育担当として赴任してもらいました」
木島小学校での取り組みをきっかけとして、飯山市は2016年、ICT活用研究委員会を発足します。各学校の校長とICT研究委員1名を選出し、情報交換などを行っていきました。
そして、2018年には全小中学校に大型ディスプレイを配置。授業に活用するなど、少しずつICT教育の環境を整えていったそうです。
現在ではGIGAスクール構想も追い風となり、全国的にも注目を集めるようになった飯山市のICT教育。しかし、「学校や先生によって、まだまだ温度差があるのは事実です」と松木氏はいいます。
この課題には、「ICT活用研究委員会を通して取り組みを共有し、少しずつ歩みを進めるしかない」と岩崎氏。
岩崎氏「飯山市としては、すべての学校を同じレベルに引き上げないといけないと考えています。コロナ禍もあり、GIGAスクール構想は一気に前倒しになりました。どんな形でカリキュラムを組むのか、整理していかなければなりません」
そんな中で開催された今回のプログラミングイベント。お二人はイベントの様子をご覧になり、「とても良い機会になった」といいます。
松木氏「飯山市では、夏休みに毎年プログラミング教室を開催していたのですが、昨年からはコロナ禍で中止になってしまいました。そうした中で、このようなイベントが開催できたことは非常に良かったです」
岩崎氏「今回のようなイベントは、もちろん感染防止対策は徹底しつつ、今後も定期的に開催できるといいですね。できれば全部の学校で実施していければと思います」
教育現場でも使われるタブレットPC
前述の通り、今回のイベントでは『MousePro-P101A』が使われました。もともと飯山市はマウスコンピューターとICT教育分野で提携しており、同モデルを学校現場に導入した経緯があります。そのため、『MousePro-P101A』は参加者の子どもたちにとってなじみ深い端末だったようです。
『MousePro-P101A』は、10.1型ディスプレイとキーボードカバーを搭載しており、タブレットスタイル/ノートPCスタイルの使い分けができる2in1デタッチャブルパソコン。最大の特長は、高い堅牢性と強力な防塵防滴性能です。また、スタンドを兼用する持ち手がついているため、180度回転させれば、持ち歩き時に便利なハンドルとしても使用できます。
安価でコストパフォーマンスに優れたモデルなので、教育現場にも導入しやすいのがメリットといえるでしょう。今回参加した子どもたち、そして保護者からも非常に好評で、「タブレットとしてもパソコンとしても使えるのがうれしい」「サクサク動いて見やすい」「子どもが使うには、軽くて小さくて良い」といったコメントが寄せられました。
インテル® Celeron® プロセッサー N4100を搭載した、2in1デタッチャブルパソコン。安心の堅牢性や防塵・防滴対応により、子どもが使いやすい設計に。教育現場での学習端末としても適している、「GIGAスクール構想対応PC」です。
一方、柴原先生が使用していたのは『G-Tune H5』。あらゆるゲームをストレスなく遊べる高い性能を備えたマシンで、eスポーツ大会やゲーム実況配信でも使用されています。
今回は『G-Tune H5』が親機となり、『MousePro-P101A』20台を遠隔で操作。このような負荷がかかりやすい状況でも、高いパフォーマンスを発揮しました。グラフィックの性能も申し分なく、水面のゆれや反射、空に浮かぶ雲までも鮮やかに表示されています。
インテル® Core™ i7-10870H プロセッサーを搭載し、240Hzリフレッシュレート対応の液晶ディスプレイを採用した、ハイスペックなゲーミングノートPC。滑らかな映像表示を実現し、ゲームの魅力を最大限に引き出してくれます。
+++ICT教育への取り組みは、全国の学校でまだ始まったばかり。どんな端末を導入すればいいのかという点も含め、まだまだ多くの課題が山積みとなっています。今後はさらに学校同士の連携を強め、情報交換を行っていく必要があるでしょう。
そうした中で鍵を握るのが、民間企業の存在。飯山市×マウスコンピューターのように、自治体と民間企業が協力してICT教育をサポートしていくことが、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか。
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