猛威をふるう「Emotet」――大手企業で感染爆発が続く ほか
2. ウクライナ情勢――国際企業の対応
ウクライナ情勢に対する国際企業の対応をまとめておく。
金融分野ではビザ、マスター、アメリカン・エキスプレス、ペイパルらがロシア内での決済サービスの停止を発表している(CNET Japan、Impress Watch、CNN)。加えて、JCBがロシア内でのサービスを停止している。ただし、中国の銀聯(ぎんれん)などの他の国際ブランドカードについて報じている記事は見当たらない。
仮想通貨では「仮想通貨取引所のCoinbaseが、違法な活動に従事していると考えられるロシアの個人・団体に関連するウォレットアドレス2万5000件以上をブロックした」とも報じられている(Gigazine)。
インターネットサービスでは、マイクロソフト(PC Watch)、アップル(TechCrunch日本版)、グーグル(CNET Japan)、アドビ、TikTok(Impress Watch)、ネットフリックス(CNN)などはロシア向けのサービスの一部、あるいは全部を停止している。
ロシア側は国際的なSNSに対して厳しい姿勢を示している。「ロシアのプーチン大統領は3月4日、ロシアの軍事行動に関する『虚偽情報』を流布した者に最長で禁錮15年を科す法律に署名し、発効させた」(ITmedia)と報じられている。その上で、ロシア国内からのFacebook(CNET Japan)、Twitterへのアクセス制限、英BBC放送、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)、ドイツ国際公共放送ドイチェ・ウェレのサイトへのアクセスも遮断された。しかし、TwitterがTor経由でアクセス可能なサイトをオープンするなどの情報基盤における技術的な応酬もある(INTERNET Watch)。BBCもTor経由の他、短波放送でのロシア国民向けの情報提供をしている(INTERNET Watch)。
また、ウクライナからは「ロシアによる侵攻を受けて、ドメイン名の管理などを担う非営利団体ICANNに対し、『.ru』『.su』などロシアのトップレベルドメイン(TLD)と、同国に関連するSSL証明書の取り消しを要請」したと報じられている。つまり、インターネットからロシアを締め出すという意図だ。しかし、ICANNはそれを拒否したということだ。「インターネット関連組織の人々はこれまでに、要請に応じるべきではない」という姿勢を示している(CNET Japan)。