特集―メンズコスメ市場攻略―韓国市場リポート―憧れの男性像の変化を捉えたブランドが人気―福岡女学院大学准教授・朴 熙成
コスメフリークと社会変化の関係性
化粧は女性がするものなのか。最近のMZ世代の男性は身だしなみをきれいにする、肌をきれいに整えるだけでなく、化粧やメイクアップに対する抵抗感も薄れているようである。韓国では2000年代に入ると、外見を重視する傾向が表れた。男性も外見を意識し、グルーミングに関心を持つ人が増え、化粧品を購入するようになった。10年のユーロモニターの調べによると、韓国の男性スキンケア市場はグローバルトップになったという。それもあって、男性の化粧に対する社会的な行動変化や購買行動に関する研究もある。
00年代には、米国発のトレンド「メトロセクシュアル(Metrosexual:Mark Simpson)」が流行った。男性的な気質を持ちながら、女性的な感情を持ち、それを解き放すのに抵抗感がなく、外見を気遣う人を指す。韓国は多様性を受け入れる社会へと変化し、男性にも女性らしさ(女性性)を取り入れるようになっていく。フローラリスト(花屋、フラワーデザイナー、フラワー装飾技能士など)、フードスタイルリストのように、主に女性が活躍していた職業に男性が就くようになった。ファッションに興味を持ち、外見にも関心を示すようになったのも、この頃からだ。内面にある女性性をポジティブに楽しむ男性が増え、外見をかっこよく見せることは、社会的な成功に必要な要素になっていった。
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