OneDriveに共有フォルダーを活用する(2)
■OneDriveのフォルダーの共有設定
前回は、OneDriveにフォルダーを作成し、特定の組織内ユーザーにアクセス許可を与える設定を行いました。このフォルダーに保存したファイルを、Outlookで、各ユーザーに送信した場合、どのようになるか、確認しましょう。
(1)OneDriveのフォルダー一覧「共有」の列に各フォルダーの共有状況が表示される(2)クリックして、「アクセス許可の管理」を開く
「プライベート」は自分だけがアクセスできるフォルダー、「共有」は他のユーザーにアクセス許可を設定しているフォルダーです。アクセス許可の管理で、このフォルダーのアクセス許可の状況を確認します。アクセス許可を設定したユーザーごとに、アクセス許可の種類(権限)のアイコンが表示されます。
(3)「表示可能」(編集不可の表示のみ)のアイコン(4)「編集可能」のマーク
■OneDriveフォルダーのファイルをメールで送信
OneDriveのフォルダーに保存したファイルを、Outlookで送信します。送信手順の詳細については、当連載の第80回、第81回を参照してください。次の画面は、Microsoft 365のOutlookの新規メール作成です。
(1)宛先に「編集可能」のユーザーを入力(2)宛先に「表示可能」のユーザーを入力(3)宛先に、アクセス許可の無い組織内のユーザーを入力(4)クリップ(添付ファイル)ボタンをクリック(5)「クラウドの場所から選択」をクリック
なお、この例のように特定のユーザーにアクセス許可を設定したフォルダーのファイルを複数のユーザーに一斉送信するとき、一斉送信するのは組織内のユーザーだけにしてください。組織外のユーザーを含めると、アクセス許可の設定が変更されます。この件については、次回の記事で解説します。
(6)送信ファイルがあるOneDriveのフォルダーを選択(7)送信するファイルをクリックして選択(8)「次」をクリック
(9)「OneDriveのリンクとして共有する」をクリックして選択
(10)OneDriveのファイルが添付された(11)メールを送信
なお、添付ファイルとして表示されていますが、ファイルそのものではなく、OneDriveファイルへのリンク情報が添付されます。
■メール受信者の画面
今度は、このメールを受信したユーザー側から見てみます。次の画面は「編集可能」アクセス許可を設定されたユーザーの場合です。
(1)受信メールをクリックして開く(2)ファイルが添付されている(3)クリックすると添付ファイルメニューが表示される(4)添付ファイルメニューからファイルを操作
メニューは以下の通りです。
メニュー | 内容 |
---|---|
プレビュー | ファイルをプレビュー表示します。(編集可能、表示可能ユーザー) |
ブラウザーで編集 | ファイルを開いて、Webアプリ版のWord、Excel、PowerPointなどで編集します。OneDrive内のファイルを直接編集します。(編集可能ユーザー) |
デスクトップアプリで編集する | インストールされているデスクトップアプリ版のWord、Excel、PowerPointなどで編集します。OneDrive内のファイルを直接編集します。(編集可能ユーザー) |
リンクをコピー | OneDrive内ファイルへのURLを取得します。WebブラウザーのアドレスバーにこのURLを入力して開けます。(誰でも) |
ダウンロード | ファイルをローカルコンピューターのフォルダー(「ダウンロード」フォルダーなど)にダウンロードします。(誰でも) |
●「編集可能」許可のあるユーザーの場合
「編集可能」として許可されたユーザーが添付ファイルをクリックして開くと、OneDriveのファイルを開いて編集できます。
(5)編集可能状態で開く
●「表示可能」許可のあるユーザーの場合
「表示可能」として許可されたユーザーは、表示のみで編集できません。添付ファイルをクリックして開くと、プレビューモードになります。
(6)プレビューモードで開く(7)編集操作をしようとすると、「読み取り専用」という注意が表示される
●アクセス許可の無い組織内ユーザーの場合
アクセス許可が設定されていないユーザーがメールの添付ファイルを開くと、アクセス許可が無いというメッセージが表示されます。ファイル所有者に、アクセス許可依頼を送信できます。
(8)アクセス許可がないという画面(9)所有者へのメッセージを入力可能(10)所有者にアクセス許可を要求する通知を送信する
次の画面は、添付ファイル所有者に届くアクセス許可要求の通知です。
(11)メールで通知が受信されるので、クリックして開く(12)「編集可能」を許可(13)「表示可能」を許可(14)アクセス許可を設定(15)アクセスを拒否
なお、アクセス許可を受けていないユーザーでも、添付ファイルのメールを受信すると、添付ファイルのダウンロードだけはできてしまうので、注意してください。アクセス許可が無ければダウンロードもできないように思えますが、添付ファイルとしてメールを送信した時点で、「受信者にファイルを送った」ということになるため、ダウンロードは可能になります。アクセス許可は、あくまでOneDriveのフォルダー内のファイルを直接操作できるかどうかという許可なのです。
次回は、組織外のユーザーのアクセス許可、ファイル送信を取り上げます。
コラム「Skype for Business」Microsoft Teamsに関連して、Skype for Businessにも触れておきます。
Microsoft 365(旧Office 365、旧BPOS)のチャット・ビデオ通話ツールとしては、もともと、Microsoft Lyncがありました。マイクロソフトがSkypeを買収したことにより、Microsoft LyncはMicrosoft Skype for Businessと名称を変えて現在にいたっています。現在ではまだSkype for Businessも使用できますが、Skype for Businessのほとんどの機能を内包し、さらに高度なコミュニケーション環境を提供するMicrosoft Teamsの登場により、Skype for Businessは2021年7月31日をもってサービスを終了します。
Skype for Businessをご利用の場合は、それまでにMicrosoft Teamsに移行する必要があります。
参考:「Teamsへのアップグレード」はこちら
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