Engadget Logo エンガジェット日本版 米任天堂、Switchハッキング集団のボス「クッパ」を著作権侵害で訴える
米任天堂は、Nintendo Switchのハッキングデバイスを開発・販売していた組織のボスとされる人物が著作権を侵害したとして訴訟を起こしました。相手の名前はGary Bowserですが、Bowserとはスーパーマリオでお馴染みのキャラクター・クッパの英語名でもあり、「任天堂がクッパを訴えた」ことになります。
この組織は「世界で最も悪名高いビデオゲーム海賊団体の1つ」とされるTeam-Xecuter(通称TX)です。そのリーダーとされるBowser氏と、もう1人のMax Louarn氏は刑事事件として訴追されたことに基づき、2020年10月に逮捕されています。
任天堂はBowser氏の活動を、Nintendo Switchのセキュリティ対策を回避するよう作られたハッキングデバイスを販売し、購入者が海賊版ゲームを実行できるようにした「国際的な海賊組織」と表現しています。TXのメンバーらはハッキングデバイスがあくまで自作ソフトを動かすためのツールだと主張して、逆に任天堂の検閲、独占的支配、法的恐怖戦術を非難していましたが、米司法省や裁判所は任天堂の訴えを認めたわけです。
これまで任天堂はTXが開発・販売したスイッチ用ハッキングツール「SX Pro」、「SX Core」、「SX Lite」などの再販業者(通販サイトなど)に対して訴訟を重ねてきました。そのうち1つの業者だけでも、約2億円もの賠償支払いを命じられています。
その一方でTX本体は自ら販売せずに再販業者を経由していたために摘発がなかなか進みませんでしたが、ようやく大元にたどり着いたかっこうです。
任天堂は販売された機器(ハッキングツール)1台につき2500ドル、著作権侵害1件につき15万ドルもの損害賠償を求めています。もしも今回も任天堂が勝訴すれば、厳重に身元を隠していたBowser氏さえ逮捕されたことや、莫大な賠償請求を目の当たりにしたハッキングツール業者らは、とても割に合わないとばかりに撤退していくのかもしれません。
Source:Polygon