2D花火アクション『夏まつりのハナビィ』―ミニゲーム「花札チャレンジ」はそれ単体でも延々と遊べてしまうほど楽しい【開発者インタビュー】
気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Enigmatic Network開発、PC/Mac向けに7月16日にリリースされた2D花火アクション『夏まつりのハナビィ(Hanaby's Summer Festival)』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、花火をテーマとした日本産2Dアクションシリーズ第3弾。見習い花火師の主人公ハナビィが、長い間休止していた「夏祭り」を復活させるため冒険に出ます。前作までとは異なり、ハナビが使い捨て仕様になったり、自動生成されるステージ内で花札を集める「花札チャレンジ」なども特徴です。
『夏まつりのハナビィ』は、2,050円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
nokoyama初めまして、日本のゲーム制作サークル「Enigmatic Network」代表のnokoyamaです。楽曲制作の「ああああ」さん、アドバイザーの「残念うさぎ」さんと共に国内向けのSteamゲームを制作しており、本作はサークルで4作目のゲームとなります。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
nokoyama2019年の末から2Dアクションゲームのコースをランダムに生成する新技術の実現性を検証していまして、実現の見込みが立ったため「ハナビィ3(仮)」プロジェクトを開始し、2020年3月には開発費のためにクラウドファンディングを実施させていただきました。
ゲームの開発はゼロからではなく、前作『魔法使いハナビィ』を改造する所から開始しましたので、躓くことは特になかったです。
――本作の特徴を教えてください。
nokoyamaまず『ハナビィ』シリーズの特徴について説明させていただきますと、手持ち・打ち上げ・ロケットといった様々な種類の「ハナビ」を使って敵を蹴散らしながら、多種多様な世界を冒険する2Dアクションゲームです。ハナビは攻撃だけではなく、物を壊したり、スイッチを押すことにも使えます。手持ちハナビを下向きに噴射すると空を飛べたりもします。
『ハナビィ』シリーズは、ポップな雰囲気、キャッチーなBGM、そして可愛いキャラクターも大きな特徴です。ハナビィをはじめとする味方キャラクターが動物なのに対し、敵キャラはカビや雨雲など湿気に因んだものがモチーフになっています(花火はシケるとダメになることから)。
さて、今作『夏まつりのハナビィ』は『ハナビィ』シリーズの3作目にあたり、前作・前々作よりも和風を感じさせる世界が舞台となっています。システム面にも大きな変更があり、過去作と比べて新しいハナビに次々と出会える構造になりました。また、金策要素としてランダムに生成されるコース上で花札を集める「花札チャレンジ」というミニゲームが追加されましたが、それ単体でも延々と遊べてしまうほど楽しいです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
nokoyama『スーパーマリオオデッセイ』はトレイラーを含めたワクワク感の演出が本当に完璧で、私の中でゲーム制作のバイブルとなっています。『ハナビィ』のワールドの世界観は2つ以上の要素の化学反応によって作っているのですが、これも『スーパーマリオオデッセイ』の手法に影響されていると思います。
2Dアクションとしては『ヨッシーアイランド』の影響が強いです。ダッシュボタンがなく、ジャンプはボタンを押す長さによって決まるというシンプルなシステムですね。
ハナビアクションに関しては『ラチェット&クランク』や『洞窟物語』を意識しています。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
nokoyamaサークルが元々オンライン前提でしたから、直接的な影響はありませんでした。
ただ、自分はなかなか実家に帰れなくて寂しいです。一刻も早く収束することを願っております。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
nokoyamaはい。個人や法人、営利非営利を問わず、ゲーム実況やプレイ動画を作成していただけます。本件はSteamのストアページの下のほうにも書いてありますので、そちらもご確認くださいませ。
ちなみに、nokoyamaはゲームを遊ぶのよりも見るほうが断然好きな人間です。ゲームを作る立場なのにおかしいですよね…(笑)。ですので、皆さんのプレイ動画を本当に楽しみにしております。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
nokoyama『ハナビィ』シリーズは「子供向け風のゲーム」でありながら最初から大人をターゲットに作られており、ありそうでなかった、何とも不思議な空気感のゲームに仕上がっています。他のゲームには無い新鮮な体験をしたい方にはイチオシです。また、2Dアクションが好きな方はもちろん、花火が好きな方や、色んな世界を旅したい方にもぜひ遊んでいただきたいです。
本作を気に入ってくださった方は、Enigmatic Networkの他の作品や、サウンドトラックなどもありますのでぜひよろしくお願いします。
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメール