【警告】その節税、間違ってます――個人事業主の節税を考える[心構え編]
節税効果を検証
ザックリとした節税の例を見てみよう。東京都千代田区在住、30代独身の個人事業主の今年の売り上げが720万円、経費が180万円とすると、所得は540万円(720万円-180万円)となる。節税対策で仕事用にPCやスマホなどを新調し経費を20万円増やすと、所得は520万円となる。節税前と節税後の所得税、住民税、国民健康保険を比較してみた。
経費を20万円増やしたことで、所得税が4万円、住民税が2万円、国民健康保険が1万8000円減り、税金と国保の合計額を7万8000円も減らすことができた。気分的には39%の値引きで仕事道具を買ったこととなる。戻って来るのは確定申告後なので約4割のキャッシュバックといった感じだ。
これに味を占めると、経費を50万円増やすと約20万円、100万円に増やすと40万円の節税などと考えたくなるが、節税は目的ではない。節税のために経費を増やすのは本末転倒。不要な経費を使うことは単なる無駄遣いだ。節税の落とし穴に注意しよう。