「Gz'One TYPE-XX」レビュー 再始動のカシオデザインを堪能できる一台
伝説のタフネスケータイが10年のときを経てよみがえった。KDDIが2021年12月に発売した「G'zOne TYPE-XX」をレビューする。【画像】先代モデルとの比較 カシオ計算機のG'zOne シリーズは、2000年9月に発売された「C303CA」から、2012年のスマートフォン「G'zOne TYPE-L CAL21」まで約12年の歴史を持つブランドだ。カシオの携帯電話製造からの撤退によって、その歴史は一度途絶えたものの、2020年のブランド20周年を記念して、4G LTEケータイとして生まれ変わった。【訂正:2022年2月16日16時15分 初出時、「G'zOne TYPE-L CAL21」の製品名に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】 G'zOne TYPE-XXのデザインコンセプトは「もし現在にG'zOneが存在するならどんな姿になっているか」。機種名の「XX(ダブルエックス)」は、10周年記念モデルとして登場したG'zOne TYPE-Xに対して、20周年を表すものとなっている。 カシオは既に携帯電話製造から撤退しているため、今回カシオが携わったのは外観のデザインと壁紙などのいくつかのキー要素のみ。携帯電話としての機能はメーカーの京セラが担当している。
G'zOneユーザーなら無料で交換も可能
G'zOne TYPE-XXの価格は一括購入で5万2800円(税込み、以下同)。分割なら初月1490円+1466円×35カ月となっている。 現在、auの3Gサービスを利用しているユーザーなら、「3Gとりかえ割(ケータイ)」で2万2000円の割引が適用される。 さらに、現在の利用機種(au契約上の登録機種)が一部のG'zOneシリーズ(TYPE-X CAY01、W42CA、W62CA、CA002)からの機種変更の場合、本体金額と同額の5万2800円が割引されて、一括0円で購入可能となっている。
まさに令和のG'zOne より流麗な見た目に
ぱっと見のいかつい面構えは、まさにG'zOneにふさわしいスタイリングとなっている。G'zOneシリーズを愛着を持って使ってきた人なら、12年前のG'zOne TYPE-Xの発展形だと一目で分かるだろう。 だが、細部をよくよく観察すると、製造技術の進歩が反映されている箇所が幾つも見受けられる。例えばG'zOneのトレードマークである背面の「マルチサークルディスプレイ」は、完全な円形のディスプレイを採用。ボディーカラーのリキッドグリーンは、新たな塗装技術によって、TYPE-Xのグリーンよりもつややかで、透明感のある色味になっている。 バックパネルの形状そのものも曲線を多用し、シリーズ共通のコンセプトである「スポーツカー」のイメージを体現している。 レビューでは主にリキッドグリーンを試用したが、もう1つのカラー、ソリッドブラックもこだわりが詰まっている。一見すると真っ黒な携帯だが、実は質感の違う黒系のカラーを12色も取り入れている。実機をよく観察すると、マットでつややかな黒、ざらざら質感の黒、優しい手触りの黒と、実に繊細な色の使い分けが味わい深いモデルとなっている。 底部には防水や耐衝撃、耐凍結、低気圧耐性などタフネス性能のシンボルマークがある。これもG'zOne TYPE-Xなどのデザインを踏襲したものだ。タフネス性能は1.8m落下、防水、防塵(じん)、耐振動、塩水噴霧、耐氷結など19項目でMIL規格準拠の試験をクリア。これまでで最もタフな携帯となっている。ちなみに、泡ハンドソープでの洗浄やアルコール消毒も可能だ。 ディスプレイは3.4型のTFT液晶ディスプレイ。解像度は480×854ピクセル。スマホ向けのニュースサイトをさらっと読む程度なら十分な解像度だ。 六角形の十字キーの中央にはセンターキーを配置。センターキーの周縁部には金属に細かい溝を施したローレット仕上げになっており、緻密な造形が味わえる。 テンキーは初代G'zOne(C303CA)のオマージュとして、円形のボタンを採用している。キー同士の感覚を広めに取っており、ボタンの押し間違いが起こりづらい。ボタン自体にも同心円状の溝が彫られていて、指が触れたときの安定感も良好。もちろん、しっかりとしたクリック感がある。 テンキーの下には「F1」と「F2」の2つのカスタマイズキーを搭載。後述するOUTDOOR APPSやテザリング機能などのショートカットを割り当てられる。 外部端子はUSB Type-Cを採用。防水用のキャップを外す一手間はあるが、ノートPCやスマホの充電器を併用できて便利だ。 バックパネルはスクリューロックを採用しており、コインなどを使って外すことができる。ユーザーによるバッテリー交換も可能だ。 側面はちょうど親指が当たる位置がくぼむような形状となっており、手に取ったときにはまりやすい。右側面のマナーボタンは背面ディスプレイの制御にも使われており、クリックしていくと時計、通知、気温、気圧などの表示に切り替わる。 ヒンジはやや固めで、パカッと開く際に多少大ぶりな動作になるが、本体に組み込まれている耐衝撃機構の重さを考えると致し方ないところだろう。
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