スタジオを自作! 低予算で防音/Dolby Atmos対応を実現する方法
昨年、Apple Musicで空間オーディオのコンテンツがリリースされ、徐々にその作品数が増えていることもあり、音楽におけるDolby Atmos作品に注目が集まり始めている。それはリスナーだけでなく、作り手のほうも同様で「どうすれば空間オーディオ作品は作れるのか?」「Dolby Atmosはどのようにミックスするのか?」というような声が、アーティスト、ミュージシャン、レコーディングエンジニアなどの間でも上がってきているようだ。
ただ、Dolby Atmos作品を作るとなると、7.1.4chや7.1.2chといったDolby Atmosに対応したスピーカーシステムを備えたスタジオが必須。しかし、現状そうしたスタジオはポスプロ用のものはあっても、音楽用となると極めて少ないのが実情だ。先日、記事でも紹介した作編曲家兼音楽プロデューサーの太田雅友氏のスタジオなど、数えられるほどしかない。
そうした中、ミュージシャン自らDIYでDolby Atmos規格に対応したスタジオを自宅に作り、DAWを使ってミックスし、空間オーディオ作品として公開するという例が出てきた。
実際に、それを実現させたのは木村玲氏。彼は、昨年11月に「Night Piano」というジャズ作品を自主レーベルでリリースしている。先日、その木村氏の自宅スタジオ(白金ピアノスタジオ)を訪ねるとともに、どのようにスタジオを作り、Dolby Atmos作品のリリースまで漕ぎつけたのか話を伺ったので紹介してみよう。
木村玲氏木村玲氏の作品「Night Piano」