プライバシー保護機能に特化したおすすめブラウザ6選
訪れるウェブサイトすべてが、何らかのかたちでユーザーをトラッキングしています。
普通は、サイト内Cookieが使われます(ユーザーの好みを記憶する小さなデータのかたまりです)。
しかし、ウェブサイトがアドトラッカーやサードパーティのCookie、それにフィンガープリントまで使っていると、少し大変なことになってきます。
サードパーティのCookieは、GoogleやFacebook、広告会社など他社が使うCookieです。
このCookieは、サイトからサイトへとユーザーを追跡し、広告を表示するためにプロフィールを作成するのに使われます。このCookieは、ユーザーのデバイスの位置情報も追跡します。
フィンガープリントは、企業がユーザーのブラウザフィンガープリントのデータを閲覧できるようになる、オンライン・プライバシーの比較的新しい脅威です。
ブラウザのバージョン、種類、OS、タイム・ゾーン、位置情報、プラグイン、フォントなどたくさんの情報からなっています。
非常に多くのデータがあるので、集積したデータから1人のユーザーを特定することができます。
では、オンライン・プライバシーを守るにはどうすればいいのでしょうか?
オンラインでプライバシーを守るには
ガッチリと身を守りたい場合は、Raspberry Piを使って、自分でトラッキング・ブロッカーを構築することもできます。
もしくは、「Decentraleyes」「uBlock Origin」「DuckDuckGo」など、プライバシーの拡張機能をインストールしてもいいです。
しかし、まずはすでにプライバシー機能が搭載されているブラウザから始めた方がいいでしょう(ですから、残念ながらGoogle Chromeはありません)。
目次
1. Firefox
2. Brave
3. Safari
4. Microsoft Edge
5. DuckDuckGo Privacy Browser
6. Tor
1. Firefox
長年にわたって、Firefoxはプライバシー機能を強化したChromeの代替ブラウザとして、地位を確立してきました。
そして、Mozillaのプライバシー機能は年々向上しています。今回は、プライバシーを保護するブラウザについてのみ話しますが、ほとんどのユーザーは移行が難しいことが多いので、手始めにFirefoxをおすすめします。
まず最初に、Firefoxは高速で機能が豊富なブラウザです。アドオンや拡張機能、カスタマイズの独自のエコシステムがあります。
Firefoxは、特別な「強化型トラッキング防止機能」があり、アドトラッカー、ソーシャルメディアトラッカー、サードパーティCookie、フィンガープリント、クリプトマイナーなど、プライバシー保護のブラウザに求められる基本的なものはすべてブロックします。
しかし、デフォルトでは、Firefoxはこれをプライベートウィンドウでのみ行います。すべてのウェブサイトにこの設定を適用するには、「設定 > プライバシーとセキュリティ」で「厳格」モードに切り替えましょう。
また、「カスタム」モードでは、ブロックするものや場所を選ぶことができます。
2. Brave
Braveは、プライバシー機能が搭載されているブラウザです。アドトラッカー、クロスサイトCookie、フィンガープリントを、デフォルトでブロックします。
また、フィンガープリントをブロックするアグレッシブモードもあります(一部サイトが壊れる可能性あり)。Braveは、Chromiumをベースとして構築されているので、Chromeの拡張機能はすべて使用できます。
Braveは全体的に良い高速ブラウザですが、変わった点もいくつかあります。
ウェブサイトへの支払いに使うための独自の仮想通貨をやたらと推してきたり、スタートページには他にも暗号関連のものがたくさんあります。ありがたいことに、どちらも無効にして無視することができます。
3. Safari
Mac、iPhone、iPadを使っている場合、オンラインのプライバシー保護であれば、Safariから始めるのがいいでしょう。
Appleには、クロスサイトのトラッキングをブロックするための、デバイスの機械学習を利用した「インテリジェント・トラッキング防止機能」という独自のツールがあります。
この機能はデフォルトで有効になっていますが、機械学習をベースにしているので、全面禁止にするわけではありません。
プライバシー保護よりもウェブサイトの機能を優先するので、ツールがサイトを壊す場合はトラッカーをブロックしません。
また、Safariは、ブロックしたトラッカーの数を報告する「プライバシーレポート」も作成します。とはいえ、Safariのプライバシー機能は完全に信頼できるものではなく、積極的とは言い難いものです。
4. Microsoft Edge
Chromeが好きだけれど、プライバシー機能を強化したブラウザにしたい人には、Microsoft Edgeがおすすめです。Microsoftは、Chromiumを本当にうまく取り入れつつ、高速で機敏なプライベート機能のあるブラウザをつくっています。
Edgeには、「基本」「バランス」「高レベル」の3つのレベルの追跡防止機能があります。「高レベル」は、すべてのウェブサイトの大半のトラッカーをブロックします。「高レベル」では、広告のカスタマイズは最小限に抑えられます。「設定 > プライバシー、検索、サービス > 追跡防止」に行き、「高レベル」を選択しましょう。
また、Microsoftは、Edgeのプライバシー機能の開発を急速に進めています。
新しい「Super Duper Secure Mode」は名前はバカっぽいですが、ウェブページからライブデータを抽出するのに使われている、ジャストインタイムJavaScriptのコンパイルを無効にすることで、追跡防止に大きく貢献しています。
5. DuckDuckGo Privacy Browser
iPhoneやAndroidのプライバシーブラウザを探しているなら、DuckDuckGo Privacy Browserも良いでしょう。
とてもシンプルな高速ブラウザで、追跡しているトラッカーをブロックします。DuckDuckGoのプライバシー検索エンジンを使うこともでき、ウェブサイトに強制的に暗号化接続できます。
6. Tor
本当にプライバシーを保護したい、監視を遮断するレベルのプライバシーを求めているのであれば、Tor Browserがぴったりです。
Tor(The onion router:オニオンルータ)は、プライバシー機能に特化したブラウザで、ユーザーのすべてのトラフィックを、世界中のボランティアが運営する様々なサーバに送ります。
このため、日常的に使用するブラウザとしてはTorは遅いですが、大きなメリットがあります。
このルーティングと再ルーティングのプロセスにより、すべてのアドトラッカーやサードパーティCookieを消滅し、フィンガープリントや監視も防ぎます。Torは、Windows、macOS、Linux、Androidで利用できます。
Source: 日経XTREND, Pi-hole, Decentraleyes, github, DuckDuckGo, Apple ,Tor