ASCII.jp 複数の端末を無線LANに繋ぐなら高速1733+800Mbpsの「Archer A10」で決まり
家ではスマホくらいしかWi-Fiを使わないというのであれば、433+150Mbpsなどの廉価なWi-Fiルーターでもとくに困ることはないが、パソコンで使うには物足りない。それなら867+300Mbpsにしようと考えるのは当然だろう。
もちろん、パソコンが1台だけの1人暮らしならコレで十分だ。しかし家族がいる場合、パソコン以外にもスマホやタブレット、テレビ、ゲーム機、スマート家電などとWi-Fiを使うデバイスは多くなり、すぐに速度低下で悩むことになるだろう。とくにパソコンをよく使い、ファイルをNASに保存しているという人であれば要注意。Wi-Fiの速度低下はNASへのアクセス速度低下へと直結するだけに、せっかくパソコンが高スペックでも、通信で待たされてしまっては宝の持ち腐れだ。
1733+800Mbpsの「Archer A10」に搭載された速度の不満を未然に防ぐ機能
「Archer A10」は実売1万円前後という価格を抑えたモデルながら、5GHz帯で1733Mbps、2.4GHz帯で800Mbpsという高速性を備えているのが特徴だ。これは外部3本、内部1本の合計4本のアンテナでを使うことで実現されたもので、複数のデバイスを接続する場合はもちろん、NASへのファイル転送といった高速性が要求される用途でも期待に応えてくれるものだ。
↑外部のアンテナは3本だが、実は内部にもう1本のアンテナを内蔵。これにより、最大1733Mbpsの速度を実現している。
「Archer A10」には、この高速性を維持するための3つの機能が搭載されている。それぞれ簡単に解説していこう。
まず最初にチェックしておきたい高速化機能が「MU-MIMO」への対応だ。
古いWi-Fiルーターでは通信できるのはひとつのデバイスだけという制限があり、通信先を次々と切り替えることで同時接続を実現していた。このため、Wi-Fiを使うデバイスが増えるほどに速度が低下していき、通信そのものも不安定になりがちだった。
これに対して「MU-MIMO」は、複数のデバイスとの同時データ通信が可能になる。順番を待つ必要がないため速度が低下しづらく、接続したすべてのデバイスが快適に使えるようになるわけだ。「Archer A10」なら最大4台のデバイスと同時通信が可能なため、一般家庭であればかなり快適になる。
ただし、MU-MIMOはWi-Fiルーターだけでなく、デバイス側での対応も必要だ。ここ数年内に発売された機器であれば対応していることが多いので、気になる人はチェックしてみるといいだろう。なお、対応していないからといっても通信できなくなることはないので、安心して欲しい。
↑従来では1台ずつ通信を行なっていたものが、MU-MIMOなら最大4台のデバイスと同時通信が可能に。待ち時間が減るため、通信が快適になる。
2つ目の高速化機能は、「バンドステアリング」。「Archer A10」は5GHz帯と2.4GHz帯の2つのバンドが利用できるが、往々にして利用するバンドは偏りがち。パソコンやスマホは5GHz、テレビや家電は2.4GHzといったようにすみわけしていても、時間帯によっては5GHz帯ばかりが使われ、2.4GHz帯は誰も使っていないということも珍しくない。
このようなバンドの偏りをなくしてくれるのが「バンドステアリング」だ。5GHz帯の利用が集中しているなら2.4GHz帯へ、この逆に2.4GHz帯が混んでいるなら5GHz帯へとデバイスを割り振ることで、快適な通信速度を維持してくれるわけだ。
↑5GHzと2.4GHzの偏りをなくし、快適な速度で使えるようにするのが「バンドステアリング」。空いているバンドを有効活用できる。
3つ目となるのが「エアタイムフェアネス」。高速なデバイスと低速なデバイスが混在している環境では、高速なデバイスはすぐに通信が終わるのに、低速なデバイスではなかなか通信が終わらず、高速なデバイスが待たされるといった状況になりがちだ。
「エアタイムフェアネス」は、接続しているデバイスの速度によらず対応する時間を均等分割する機能。これに対応している「Archer A10」なら、低速なデバイスの通信で長時間待たされることなく高速なデバイスが通信できるようになるため、応答性がかなり改善されるわけだ。
数台のデバイスしか接続しない場合はそれほど効果はないが、不特定多数の人が使う環境、例えば会社の会議室などではその差が大きく出るだろう。家庭内であっても、古いゲーム機やHDDレコーダー、テレビといったWi-Fi対応機器を多数接続するのであれば、効果が高くなる。
↑通信単位で分割すると、低速なデバイスが占有する時間が長くなってしまうが、「エアタイムフェアネス」対応なら均等に時間が割り当てられるため、高速なデバイスが待たされずに済む。